横須賀美術館は、2007年4月28日に開館したばかりの
新しい美術館です。
横須賀美術館
http://www.yokosuka-moa.jp/
神奈川県三浦半島の東海岸、県立観音崎公園の一角に建てられました。
東京からは首都高から横浜横須賀道路で約1時間半。
横須賀市街から観音崎方面に、馬堀海岸緑陰道路を進みます。
走水海水浴場から、観音崎京急ホテルを過ぎると、
緩やかに傾斜した芝生の前庭の先、緑の森を背景に、
乳白色のガラスに囲まれた、軽快な印象の建物が見えてきます。
こちらが横須賀美術館です。
併設の駐車場からエレベーターで上ると、美術館正面に出られ、
しばし横須賀の海に目を奪われます。
この眺めの良い海に面したファサードには、
レストランが設置され、テラス席でくつろぐ方々が。
レストランとショップに挟まれた美術館エントランスを進むと、
吹き抜けの広々としたエントランスホールになります。
円形窓がアクセントになった、心地よい光に包まれた
エントランスホールを中心に、展示室や各ユーティリティが配されています。
案内表示も見やすく、すっきりしたデザイン。
インフォメーションでチケットを購入し、展示室へ。
現在開催中の企画展は、「アルフレッド・ウォリス展ー海に生きた素朴画家ー」。(9月17日まで)
アルフレッド・ウォリス(1855〜1942)は、イギリス、コーンウォールの港町、
セント・アイヴスで船具商を営み、七十歳になってから独学で絵を描き始めた異色の画家。
その作品は、船乗り、船具商としての前半生を反映するように、荒海を航行する帆船や、
汽船、灯台、セント・アイヴスの港や街の情景などを、
ボール紙の切れ端や板に船舶用のペンキや油彩で描かれています。
この展覧会では、ウォリスの絵画・素描80点余り、
ウォリスを発見したニコルソンとウッドの作品10点
と関連資料により、その生涯と芸術の全体像を見ることができます。
温かい眼差しに満ちた、素朴で自由な作品に、とても心癒されます。
吹き抜けで、開放的な地下の展示室では、横須賀美術館の所蔵する
日本の近・現代の美術を鑑賞することができます。
10月8日まで「所蔵品展 小特集:海を描く」が開催されています。
ガラス張りのエレベーターで屋上にあがれば、正面に東京湾の広大な景観を展望できる広場に出ます。
お天気がよければ、設置されている望遠鏡で、遠く対岸まで見渡すことができるかも知れません。
この屋上広場は、裏手の芝生広場に続いていて、外部からも自然にアクセスできる設計になっています。ここから観音崎公園方面へ出ることも。
他にも、長い間「週刊新潮」の表紙を描かれていた谷内六郎氏の作品を展示する「谷内六郎館」があります。
現在は「谷内六郎<週刊新潮 表紙絵>展」が開催されています。(会期中展示替えがあります)
氏のどこか懐かしく温かい作風をまとめて鑑賞できるまたとない機会。
一休みしたい時は、東京湾を目の前にしたレストラン「アクアマーレ」で。
芝生の広場を前に、東京湾を行きかう大小さまざまな船を眺めながら、
カフェやランチが楽しめます。
隣接するミュージアムショップでは、展覧会カタログをはじめ絵葉書やミュージアムグッズを購入できます。
横須賀美術館では、10月6日から11月11日まで「澁澤龍彦ー幻想美術館」展が開催されます。
作家・批評家でありフランス文学者、そして美術エッセーでも大きな足跡をのこした
澁澤龍彦(1928〜1987)の没後20年を記念する展覧会。
豊かな知識と自由な発想から、独特の美術論を残した氏の生涯にわたる活動、
交友関係、思考の変遷を辿りながら、20世紀後半の美術観・思潮の変遷と、
彼が時代をどのようにリードしたかを再検証する展覧会となるそうです。
興味深いですね。
お時間があれば、観音崎公園に足を伸ばし、灯台を見学したり、
磯遊びを楽しむのもいいかも知れません。
海辺の自然に溶け込むように建設された、誕生したばかりの美術館で
アートと自然を楽しんでみませんか?
フレッシュな美術館と東京湾の景観を望める絶好のロケーションは、気分をリフレッシュさせ、イマジネーションをかきたててくれることでしょう。
赤ちゃん連れのお母様への情報:
おむつ替えはおむつ替えシートのあるトイレがあります。
授乳室もありますので、受付でご相談ください。
また、ベビーカー・抱っこひもの無料貸出しのサーヴィスもありますので、
必要な方は受付でご相談くださいね。
このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまの気に入りの
美術館情報を募集しています。
お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せくださいね。
お待ちしております。
横須賀美術館
横須賀美術館
横須賀美術館 屋上広場
横須賀美術館 谷内六郎館 前庭
横須賀美術館 谷内六郎館
横須賀美術館 谷内六郎館に映る夕日
アルフレッド・ウォリス展
アルフレッド・ウォリス《青い船》1934年頃
油彩、裏に木を貼ったボード、43.8×55.9cm
テート・ブリテン蔵
所蔵品展 小特集:海を描く
安井曽太郎《外房風景〈太海〉》1931年
澁澤龍彦−幻想美術館
細江英公 《澁澤龍彦》(『知人の肖像』より) 1965年
横須賀美術館
住所:
神奈川県横須賀市鴨居4丁目1番地
TEL.046−845−1211(代表)
046−845−1212
(展覧会、イベントなどについて)
詳しくは、直接、お問い合わせいただくか、
美術館ホームページをご覧ください。
*こちらの記事は、美術館より許諾を頂いております。