国立科学博物館(略称:かはく)は、1877年(明治10年)に設立された、日本で最も歴史のある博物館の一つです。
国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/
国立の唯一の総合的な科学博物館として、自然史および科学技術史研究に関する拠点として、また日本の博物館をリードする博物館として活動しています。
そのコレクションは、約394万点におよび、現在、上野本館をはじめ5つの地区で、調査研究、標本資料の収集・保管、展示、学習支援活動等を展開。
人々が、地球や生命、科学技術に対する認識を深め、人類と自然、科学技術の望ましい関係について考える機会を提供することをミッションに、国際的に卓越した研究とコレクションを誇り、人々の知的ニーズに応え、能動的でオープンな博物館を目指して活動されているそうです。
さて、国立科学博物館は、東京地方のママたちには小学生や中学生時代に学校の課外活動で一度は訪れたことのあるおなじみの博物館かも知れません。
しかし、2004年に「地球館」がグランドオープンし、旧本館も2007年に「日本館」としてリニューアールオープンしたのをご存じでしょうか?
また、2007年に開館130周年を記念して「想像力の入口」というキャッチコピーと佐藤卓氏デザインの明るくリズミカルな新しいシンボルマークができたのをご存じでした?
今回の「赤ちゃん連れでも楽しめるミュージアム」は、新しくなった「かはく」をご存じの方にもそうでない方にも有益な、「かはく」の今をご紹介してゆきましょう。
「生き物たちが暮らす地球の環境を守り、自然と人類が共存可能な未来を築くために、どうすればよいのか?」という「かはく」の提示している問いは、COP10が閉幕しても皆様共通の問題意識かも知れませんね。
そして、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還に心躍った方も多いのではないでしょうか?
「かはく」へのアクセスは簡単!JR上野駅公園口から徒歩5分ほど、国立西洋美術館の角を右折すると右手にクラシックな建物を背景に特別展と常設展のエントランスゲートが現れます。
現在は、特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢−」が開催中(2011年2月6日[日]まで)ですが、今回は常設展からご紹介しましょう。
常設展は日本館と地球館からなります。
日本館は、1923年(大正12年)の関東大震災で施設・標本のすべてを消失した、当時湯島にあった「東京博物館」が「東京科学博物館」としてこの上野の地でスタートした記念すべき建物です。
1930年(昭和5年)に完成したネオ・ルネッサンス様式を基調としたデザインの建物で、上から見ると、当時最先端の科学技術の象徴だった飛行機の形をしています。
2008年(平成20年)、国の重要文化財に指定されました。
さて、日本館では、「日本列島の自然と私たち」をテーマに、日本列島の自然と生い立ち、そこに暮らす生き物たちの進化、日本人の形成過程、そして私たちと自然のかかわりの歴史が展示されています。
まずは、3Fに上がり、吹き抜け部分から中央ホールの内装を眺めてみましょう。
華麗なステンドグラスは、小川三知のアトリエで制作された傑作。
また、建物内外につかわれている装飾も見事ですので、お見逃しなく!
3F南翼には、四季の変化に恵まれ、季節風と海流の影響を受ける気候的にも
地形的にも変化に富んだ日本列島に生息する生き物たちの標本が美しくディスプレイされています。
特に日本列島を囲む豊かな海の生き物や屋久杉の年輪などが印象的!
北翼には、福島県いわき市で発見された日本を代表する首長竜化石、フタバスズキリュウの巨大な復元骨格が展示されていて圧倒されます。
2F北翼の展示室には、日本人の縄文から弥生、江戸のライフスタイルの歴史を精巧な復元模型で表現した興味深い展示があります。
表情までリアルに表現された復元模型は、「かはく」の研究者が監修したものです。細部にわたって研究者のこだわりが感じられるのではないでしょうか?
1Fでは、日本独自の暦や不定時法、様々な和時計が展示され、細やかな自然を見る技を通じて、日本人の科学と技術の足跡をたどります。
また、同じフロアーでは、企画展「あしたのごはんのためにー田んぼから見える遺伝的多様性ー」が開催されています。(2011年1月16日[日]まで)
企画展
「あしたのごはんのためにー田んぼから見える遺伝的多様性ー」
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/09gohan/
2010年の生物多様性5回シリーズをしめくくるこの企画展は、「遺伝的多様性」を通して「あしたのごはん」について共に考えようというものです。
人口の拡大と農業従事者の減少に伴い、「農耕」にも生産性向上が求められてきました。
そこで大規模開発、農薬や化学肥料の使用、品種改良などの革新が進みました。
しかし一方で人間を含む自然の生態系に与える大きな影響が明らかになってきています。
お米について考えると、最近ではコシヒカリやひとめぼれなどのブランド米が消費者に好まれ、生産者側も競ってこれを生産します。その結果、イネの遺伝的多様性は急速に失われているとのこと。
多様性を失った種の行く末は非常に危険です。
良い解決策はあるのでしょうか?
さて、一通り日本館を見学したら、地球館へ回ってみましょう。
地球館では「地球生命史と人類」をテーマに、地球の多様な生き物がお互いに深く関わりあって生きている姿、地球環境の変動の中で生命が誕生と絶滅を繰り返しながら進化してきた道のり、そして、人類の知恵の歴史が展示されています。
なんといっても圧巻なのは、3Fで展示されている115体の大型動物群のはく製群のディスプレイです。
いまでは絶滅してしまったニホンオオカミのはく製や、絶滅危惧種のホッキョクグマ
のはく製なども展示されています。
このはく製標本の大部分は、ハワイの日系アメリカ人の寄贈によるものとか。
この階には他に、「たんけん広場ー発見の森」もあります。
雑木林の自然が再現されていますので、鳥の目になったり、タヌキのつもりになったりして森を観察してみましょう。
ジオラマから顔をだしてタヌキ目線で観察することもできるお子さまに人気の体験型展示です。
2F「科学と技術の歩み」では、江戸時代以降の科学技術が日本固有の文化に根ざしつつ
外国の文化を受け入れながら発展してきた歩みを紹介しています。
重要文化財になっている田中久重が製作した萬年時計は必見!
また、たんけん広場には、身近な科学の謎に挑戦できる体験型展示もあります。
B1Fでは、「地球環境の変動と生物の進化」と題し、恐竜の実物化石などを展示して生物の変化をたどります。
B2Fでは、猿人(ルーシー)や原人、旧人が復元されている珍しい展示もあります。
B3Fに展示されている月からの巨大隕石には是非触れてみましょう。
中国に落ちたアジア最大の南丹隕石です。
遠い昔、地球誕生のころの息吹を感じるかもしれません。
地球館屋上には、ハーブガーデンがあります。
ほっと一息つきたい時におススメのスポット。
晴れていれば、上野界隈やスカイツリーを眺めながら、飲食もできる気持ちの良い
スペースもあります。
近づくと赤外線センサーでパラソルが開く珍しいパラソルガーデンにも隣接しています。
さて、「かはく」では、現在、特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢−」が開催されています。(2011年2月6日[日]まで)
特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢−」
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2010/sora-uchu/
この特別展は、1910年12月に日本人による日本初の動力飛行が実現してから今年で100周年となるのを記念して開催されるものです。
ライト兄弟の初飛行から7年後のことでした。
日本の航空・宇宙の技術開発の歴史と成果、そして今後の姿が展示されており、その全貌が俯瞰できます。
中でも、今年日本中を沸かせた小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデルと、7年の旅を終えて回収されたカプセルのエンジニアリング・モデルやパラシュートは人気の的。
(※11月7日(日)までの公開です!)
2003年、「はやぶさ」探査プロジェクトにあたり、この小惑星には日本の宇宙開発・ロケット開発の父と呼ばれる糸川英夫博士に因み、「イトカワ」と命名することが国際的に承認されました。
その糸川博士が先導して1954年、日本の宇宙開発のスタートを飾った「ペンシルロケット」、いわゆる「糸川ロケット」も展示されています。
他にも国産飛行機のYS-11やMRJ、人工衛星の「おおすみ」や「あかつき」などが、各種の技術開発の成果と共に展示されています。
この展示会を機に、夢とロマンが一杯詰まった航空・宇宙研究開発に興味を抱き、夢ふくらませるお子さんたちの増えることが期待されますね。
また、企画展「エコで粋 !?自然に学ぶ ネイチャー・テクノロジーとライフスタイル展」(2011年2月6日[日]まで)も開催されています。
自然をよきメンターとして自然の知恵を模倣し生かそうとする考え方はダ・ヴィンチも持っていましたが、米サイエンス・ライターのジャニン・ベニュスさんがこのような考え方を「バイオミミクリ」として提唱して注目を集めてきました。
最近ではバイオミメティクスという言葉も使われ、優れた機能性を生かした商品開発や、循環型経済への試みが盛んになっています。
この企画展では、「自然の仕組みにヒントを得た環境負荷の低いテクノロジーのたまごたちと、日本文化に根ざした共生型のライフスタイル提案」を行っています。
自然とは遊離した技術の暴走を見直し、もともと自然との共生が当たり前であった日本の伝統を再認識することが可能性を広げる時期に来ているのかもしれませんね。
さらにお時間あれば、日本館地下1階の「シアター36○(シアター・サン・ロク・マル)」の体験もおすすめ!
「シアター36○」とは、2005年「愛・地球博」の長久手日本館で人気を博した「地球の部屋」が国立科学博物館に移設され、「THEATER36○(シアター・サン・ロク・マル)」として
生まれ変わった施設。
360度全方位に映像が映しだされ、独特の浮遊感や迫力が味わえる映像施設です。
ここでしか見られない迫力満点の映像を楽しめることでしょう。
ランチやティーには、地球館中2階にあるレストラン「ムーセイオン」が利用できます。
展示室が覗ける窓側の席が人気。科学博物館ならではのシチュエーションですね!
科学博物館ならではのメニューもあります。
また日本館1Fのラウンジ・カフェではお弁当や軽食が購入できるほか、
近くに授乳室もありますので赤ちゃん連れでも安心ですね。
また、ミュージアムショップでは、ミュージアムグッズなどいろいろ
取り揃えられていますので、お立ち寄りになるのも楽しいかも。
本当にざっと「かはく」の今をご紹介しましたが、
知のワンダーランド「かはく」にはまだまだ見所がいっぱい!
とてもご紹介しきれません。
ここからは、是非「かはく」にでかけて、みなさまの興味と関心で「かはく」を楽しんでくださいね!
「かはく」初心者には、常設展で実施している教育ボランティアの方々によるガイドツアーに参加するのもおすすめです。
取材時にたまたまお会いした、ベビーカーを押して時々「かはく」にいらっしゃるという
ヨチヨチ歩きの赤ちゃん連れのママの言葉が印象に残りました。
「こどもというより大人(ママ)が楽しんでいます。どの階も楽しい!」
常設展示の他にも、随時特別展・企画展・ミニ企画展等も
開催されていますのでお出かけの際は、国立科学博物館ホームページをご確認ください。
赤ちゃん連れのお母様へ:
国立科学博物館は、ベビーカーで入館できます。
オムツ替えは各階のトイレにベビーシートがあります。授乳室は、日本館一階のトイレ脇に設置されていますので安心です。
このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの
ミュージアム情報を募集しています。
お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せくださいね。
お待ちしております。

国立科学博物館・日本館

日本館内観

[日本列島の素顔] 日本館3F南翼

〈フタバスズキリュウ化石〉[日本列島の生い立ち]
日本館3F北翼

[日本人と自然] 日本館2F北翼

[自然をみる技] 日本館1F南翼

企画展「あしたのごはんのために
ー田んぼから見える遺伝的多様性ー」日本館 1F

国立科学博物館・地球館

〈動物群のはく製群〉 [大地をかける生命] 地球館 3F

[たんけん広場ー発見の森] 地球館 3F

〈月からの隕石〉[宇宙・物質・法則] 地球館 B3F

ハーブガーデン 地球館 屋上
〈「はやぶさ」の実物大モデル〉
特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢−」
〈糸川ロケット〉
特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢−」
企画展「エコで粋!?自然に学ぶネイチャーテクノロジーというライフスタイル展−
“ものつくり”と“くらし”のあたらしいか・た・ち−」
レストラン ムーセイオン 地球館 中2F
ミュージアムショップ 日本館 BF1
独立行政法人 国立科学博物館
住所:
東京都台東区上野公園 7-20
TEL:03−5777−8600(ハローダイヤル)
詳しくは、直接、お問い合わせいただくか、
独立行政法人 国立科学博物館をご覧ください。
*こちらの記事は独立行政法人 国立科学博物館より許諾をいただいております。
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