特集: flânerie(そぞろ歩き)
<錦秋の京都を巡る>
第3回 嵯峨野
京都の西のエリアの中でもひなびた田舎の風情が味わえるのが嵯峨野です。
嵯峨野の紅葉巡りは、嵐山から竹林、野宮神社、トロッコ嵐山駅を
経て、常寂光寺から始めることに。
小倉山の中腹に静かに佇む常寂光寺は日蓮宗の古刹。
山門から仁王門、急な階段を上るに連れ次第に紅葉の
グラデーションが濃くなっていきます。
苔むした緑の急斜面に紅葉した葉が散り、ステキなハーモニー。
百人一首が編纂された地として知られ、
藤原定家ゆかりの山荘「時雨亭」跡があります。
本堂辺りは橙色のカエデに包まれ、百人一首の時代からの
紅葉の名所小倉山の風情がたっぷり。
DATA
常寂光寺
京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
TEL:075- 861−0435
http://www.jojakko-ji.or.jp/
次に向かう二尊院は、山号を小倉山という天台宗のお寺。
平安時代初期に嵯峨天皇の勅により建立されたとか。
総門を入った「紅葉の馬場」と呼ばれる広い参道は、
小倉山を背景に紅葉の名所として有名で、
多くの参拝客で賑わっています。
勅使門辺りの紅葉もまた、見事!!。
本堂に安置されている木造釈迦如来立像・阿弥陀如来立像 は
重要文化財です。
DATA
小倉山 二尊院
京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
075-861-0687
最後に落柿舎に立ち寄りましょう。
落柿舎は、松尾芭蕉の弟子、向井去来の別荘として使用されていた草庵。
去来がこの草庵について書いた「落柿舎ノ記」が残されています。
古い家の周囲には40本の柿の木があったとされ、庭の柿を売る契約をしたのちに、
柿がすべて台風で落ちてしまったためこう呼ばれているとか。
1691年(元禄4年)4月から5月までここに松尾芭蕉が滞在して『嵯峨日記』を執筆したともいわれています。
現在の庵は江戸時代中期から後期に活躍した俳人・井上重厚による再建だそうですが、
紅葉と梢に残るカキの実が、風情のある嵯峨野らしい佇まいを醸し出しています。
DATA
落柿舎
京都府京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20
http://www.rakushisha.jp/
錦秋の嵐山・嵯峨野巡りは、フラネリーに最適!
ウォーキングシューズでお出かけください。
嵯峨野のお休みどころは、嵯峨嵐山駅一分のところにある素敵なカフェがおすすめ。
カフェスタイルリゾート嵯峨野湯
http://www.sagano-yu.com/
お店の名前から想像できる通り元銭湯。
1923年から2005年まで営業していたそうですが、
2006年8月にカフェとして生まれ変わったとか。
外観内装共銭湯の面影を残しつつ、
スタイリッシュで親しみやすい雰囲気。
広い天井も窓から見える風景も居心地良くデザインされています。
DATA
カフェスタイルリゾート嵯峨野湯
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺今堀町4-3
TEL: 075-882-8985
http://www.sagano-yu.com/