桜の季節が開花間近で足踏みしているなんともじれったい今日此の頃。
コロナ禍以前には年2回は行っていた京都に久々出かけ、新旧とり混ぜた美術館をいくつか
取材してきましたのでご紹介しましょう。
今回ご紹介するのは2019年10月1日、京都市右京区の嵯峨嵐山に開館した「福田美術館」です。
最近、伊藤若冲作の巻物「果蔬図巻(かそずかん)」を入手されたことで話題になった美術館ですから
今回の美術館巡りにははずせません。
しかも開催中の企画展「進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち」も魅力です。
3月とはいえ花の季節にはまだ遠く霙まじりの雨が出迎えてくれた京都駅から
底冷えに負けず渡月橋近くに位置する「福田美術館」へ早速向いました。
アクセスはお天気も悪いので、嵐電(京福電鉄)「嵐山駅」下車徒歩4分をチョイス。込み合うこともなく
京福四条大宮駅から25分で京福嵐山駅に到着するという大正解な行程。
嵐電嵐山駅からは、駅を背に左手に進み2本目の通りを右折し次の角を左折すると右手に建つ和モダンな建物が「福田美術館」です。
軽快さと明るさを加味した京町屋風デザイン、網代模様をデザインした外壁ガラスが印象的!
さて「福田美術館」について少々ご紹介すると、そのコンセプトは、「100年続く美術館」。
現代まで受け継がれてきた日本文化を次世代に伝え、さらなる発展へとつなぐ美術館を目指されているそうです。
そのコレクションは、京都の実業家、福田吉孝氏が美術館を設立する目的で約20年にわたって収集されてきた
約2,000点の日本絵画が中心。江戸時代の琳派や円山・四条派、近代の京都画壇の作品から構成されています。
主な作品は俵屋宗達、円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲、葛飾北斎、横山大観、竹内栖鳳、上村松園、速水御舟、
竹久夢二などの作品たちとのこと。
これらのコレクションは、年4回の企画展で展示されています。
現在開催中の企画展が「進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち」。(2024年1月18日〜4月7日)
近代の京都画壇を代表する画家である竹内栖鳳と、彼に主導され優れた個性を発揮した弟子たちの作品、
計98点を紹介する展覧会です。
京都画壇を代表する画家竹内栖鳳(1864〜1942)は京都に生まれました。1900年、パリ万博の視察を命じられ、
欧州各地を巡ります。、西洋の光の描き方に感銘を受け、日本画と融合させた新たなスタイルを確立しました。
1937年には第1回文化勲章を受賞。また、画家だけでなく教育者としても、上村松園をはじめ多くの
有名画家を輩出したことでも知られています。
この企画展第1章では、「竹内栖鳳の快進撃 ―その力の源泉としての円山四条派―」と題し、円山応挙以来の京都画壇の流れを
継承した作品や先人たちの技法に工夫を加え自身のスタイルを表現した竹内栖鳳の作品が展示されています。特に欧州に行った折に
習得し、アレンジした技法で描いた動物画や風景画が見所です。
第2章「次世代の挑戦と研鑽 ―栖鳳の教えを胸に―」では、上村松園、西村五雲など、栖鳳に続いた優れた弟子たちの
作品が展示されています。
個性豊かな作品群は見所満載!
さらに第3章では、「戦後を生きた栖鳳の門人たち ―なお続く進撃―」をテーマに小野竹喬、福田平八郎、池田遙邨など、
戦後まで活動した栖鳳の弟子たちの作品を観ることができます。
師風を受け継ぐことこそが主眼であった近世までの価値観を脱し、個性の追求が求められた時代に活躍を続け半世紀に渡って
創作活動を続けた巨匠竹内栖鳳の生きざまをこそ継承しているのでしょう。
竹内栖鳳とその弟子たちの個性溢れる作品たちをたっぷり楽しんだら嵐山の渡月橋をピクチャレスクに眺望できる
抜群のロケ―ションのカフェで一息いれるのがおすすめ!
パフェやケーキ、軽食やドリンクが楽しめる表参道にあるベーカリーカフェの姉妹店
「パンとエスプレッソと福田美術館」(入館者のみ)で
町の喧噪を忘れることができる極上の時間を楽しむことができるでしょう。
また、ミュージアムショップではポストカードをはじめ展覧会の図録や各種オリジナルグッズがとりそろえられて
いますのでお立ちよりになってはいかが?
「進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち」展の会期は2024年4月7日(日)までです。お見逃しなく!
さて、福田美術館の次なる企画展は、2024年4月19日(金)から7月1日(月)まで開催される
「君があまりにも綺麗すぎて ―福田コレクションの美人画―」展です。
福田美術館と嵯峨嵐山文華館との共催で、福田コレクションの中から選りすぐった近世から近代にかけての約190点の
美人画が展示されます。(第2会場)
お花見がてらおでかけになってはいかがでしょう。ゴールデンウィークのお出かけスポットとしてもおすすめです。
嵯峨嵐山で一味違うソフィスティケートされた美術館体験をされてみては?
【赤ちゃん連れのお母(父)様へ】
・「福田美術館」はベビーカーで入館できます。
(混雑時はベビーカーをお預けいただくことがあります。)
このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの
ミュージアム情報を募集しています。
お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。
お待ちしております。
福田美術館
福田美術館
「進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち」展チラシ
第1章「竹内栖鳳の快進撃 ―その力の源泉としての円山四条派―」会場風景
第1章「竹内栖鳳の快進撃 ―その力の源泉としての円山四条派―」会場風景
第2章「次世代の挑戦と研鑽 ―栖鳳の教えを胸に―」会場風景
第2章「次世代の挑戦と研鑽 ―栖鳳の教えを胸に―」会場風景
第3章「戦後を生きた栖鳳の門人たち ―なお続く進撃―」会場風景
ミュージアムショップ
ベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと福田美術館」
ベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと福田美術館」
「君があまりにも綺麗すぎて ―福田コレクションの美人画―」展チラシ
福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
TEL:075-863-0606
開館時間:10:00〜17:00
※入館は16:30まで
休館日:不定休、展示替え期間、年末年始
観覧料:一般・大学生:1,500円/高校生:900円/小中学生:500円
※障がい者と介添人1名まで各900
※幼児無料
※企画展の内容によって変更となることがあります
詳しくは直接お問い合わせいただくか
福田美術館をご覧ください。
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