アート&カルチャー


第133回 ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)
Yaoko Kawagoe Museum(Yuji Misu Memorial Hall)
(埼玉県川越市)



4月、うららかな春本番を迎えました。
至る所で桜の饗宴が繰り広げられる心浮きたつ季節ですね。

先月ご紹介した「長谷川町子美術館」で開催中の収蔵コレクション展「春爛漫」 (2017年4月9日まで)に出品されている作品「爛漫」のモチーフとなった福島県三春の滝桜も 咲き誇る頃でしょうか?

今回は、その素晴らしい「爛漫」に導かれるように、作品を描かれた 三栖右嗣(1927−2010)画伯の作品を専門に展示している埼玉県川越市の「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」を 訪ねましたので、ご紹介しましょう。

「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」
http://www.yaoko-net.com/museum/

「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」は、2012年に開館したスーパーマーケット企業ヤオコーが運営する美術館です。

現代リアリズムの巨匠といわれる、三栖右嗣画伯の画業を伝える油絵、リトグラフなど百五十点余りの作品を収蔵しています。

株式会社ヤオコーの実質上の創業者故川野トモ名誉会長が、三栖画伯の個展で20号の「コスモス」の絵を求められたことが きっかけで画伯と親しくお付き合いをはじめ、蒐集をされていらしたとか。

それらコレクションを展示する美術館を設計されたのが2013年度プリツカー賞を受賞された伊東豊雄氏。

美術館は、小江戸川越の総鎮守で川越祭りで知られる川越氷川神社の北、新河岸川の桜並木に面する地に佇んでいます。

アートも建築も桜も楽しめる三拍子揃った魅力的な美術館。出かけない手はありません。

取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。

「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」までの車でのアクセスは、川越I.C.から国道16号、さらに国道254号を経由し、氷川町交差点を左折して 直進すると川の手前右手の枝垂桜のシンボルツリーが目印になっている、スタイリッシュな建物が「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」です。 (パーキング15台有)

電車では、JR、東武東上線「川越駅」東口、西武新宿線「本川越」駅からバス利用が便利です。(JR、東武東上線「川越駅」西口から出ている小江戸巡回バスや JR、東武東上線「川越駅」東口から出ている小江戸名所めぐりバスも利用できます。)

さて、美術館前庭の気持ちの良いアプローチを進みエントランスを入り、受付でチケットを購入、早速展示室1に進みましょう。 やわらかな光が、開催中の「三栖右嗣 旅の記憶−海外での取材作品から」展(2017年9月10日まで)の鑑賞空間を優しく包んでいます。

三栖画伯は、1972年ヨーロッパ・アメリカを旅したのを皮切りに、スペイン、中国、パキスタンなどへ取材に訪れました。 今回の展覧会では、画伯の訪れた海外での取材作品から選りすぐった作品が展示されています。

「ナガールの青年」などパキスタンナガール村の素朴な青年を描いた作品に始まり、スペインを巡る旅でみつけた 野生の赤いひなげしの鮮やかな色彩が印象的な「アマポーラ」そして、素朴なスペインの「村の教会」などが展示。

「パリの風景」では、冬のモンマルトルの階段の凍てついた情景描写が心にしみます。

「ゴルドの窓」は、大きなフランス窓、南仏特有の鷲の巣村の独特の景観、そして可憐な野の花が見事に南仏の情景を表現していてステキです。

展示室の一角には、ビデオコーナーもあり、三栖画伯の心をとらえたスペインのフラメンコが上映されています。

傍らには、画伯の写真と愛用のパレットも展示されていますので、お見逃しなく!

また、「ヴェニスの風景」やパキスタンの奥地フンザの楽器に花を添えて描いた「RABABと花」などが、旅愁を誘うでしょう。

さらに、画伯が中国を訪れた際に街で見かけた子供たちを描いた「中国 子供」に描かれた古い壁面に画家の力量が うかがえます。

展示室2に進むと、天窓からの明るい光のもと、三栖画伯の大型作品が並べられています。

「光る海」は1973年に始まった”海”をテーマとする沖縄シリーズの傑作の一つ。

どこまでも明るく透明感のある海を、ブーゲンビリアやハイビスカスなどの花、マンゴーなどの 果物にスポットをあて描写し、沖縄の豊かな自然を表現した気持ちの良い作品です。

次いで展示されている作品が、桜シリーズの中で唯一人物が入り込んだ作品「爛熳 」。

流れ落ちるように咲く枝垂桜の下の母と子の姿が、 爛漫と咲く桜花の中で輝いている夢のように美しい作品。

続く「蓮華」では大きなバスケットに、たっぷり投げ入れられた野の花々の 愛らしさが魅力です。

「かもめとキッツォ爺さん」と題する作品は、味のある人物像を丹念に描いた秀作。

そして、「林檎のある風景」では、枯れ葉と林檎のローアングルから見上げた 灰色の空、葉を落とした林檎の木の存在感など独特の構図に目を奪われます。

さて、第19回安井賞展(1976年)で安井賞受賞の「老いる」の習作も見どころです。 老いた母親の裸像は観る者に様々な感動を引き起こすでしょう。

多様な三栖芸術の力作を堪能したら、ラウンジで500号の「爛熳」を愉しみましょう。 爛漫と咲く枝垂桜の迫力に圧倒されることでしょう。

お時間があれば、入館の際にお飲み物やおはぎなどカフェメニューとセットの入館券を 買っておかれるのもいいかもしれません。

外光を取り入れたゆったりと明るいラウンジで、「爛熳」を鑑賞しながらのティータイムは格別!!

筆者は、ヤオコー名物のおはぎと抹茶セットでほっと一息くつろいだ時間を過ごすことができました。

また、ミュージアムショップには、『ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)開館記念画集』やポストカード、美術館 オリジナルグッズなどが取り揃えられています。

春うららかな一日、小江戸川越の「ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)」で開催中の 「三栖右嗣 旅の記憶−海外での取材作品から」展にいらしてみませんか?(2017年9月10日[日]まで)

伊東豊雄氏デザインの採光に妙味のある4つの個性的な空間を巡ることで、三栖芸術の世界を堪能し、 優雅な時間を過ごすことができるでしょう。

お時間があれば、新河岸川の桜並木を散歩したり川越氷川神社や川越の観光スポットに足をのばされるのもいいかもしれません。

四季折々小江戸川越観光をかねてお出かけになるのもおすすめです。











【赤ちゃん連れのお母様へ】
「ヤオコー川越美術館」はベビーカーで入館できます。
おむつ替えはトイレ脇のベビーベッドが利用できます。





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ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館) 

ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)

ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)

展示室1 展示風景

展示室1 展示風景

展示室2 展示風景

展示室2 展示風景

ラウンジ

エントランス・ミュージアムショップ

カフェメニュー・抹茶&おはぎ

新河岸川沿いの桜並木風景


 



施設情報

ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)


住所:埼玉県川越市氷川町109−1  

TEL:049-223-9511

開館時間:
午前10時〜午後5時(最終入館 午後4時30分)

休館日:
月曜日(当日が祝日の場合は開館)
年末年始


入館料:
一般 300円 / 大学・高校生 200円 / 中学生以下無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館) をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)
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