アート&カルチャー

第220回 渋沢栄一記念館  

埼玉県深谷市



植物の育成には欠かせない梅雨ですが、人間にとってはなんとも鬱陶しい季節となりました。

そんな時節の気分転換にはミュージアムがおすすめです。、

そこで、今回ご紹介するのは、2024年7月3日発行の新一万円札の顔、渋沢栄一生誕の地、埼玉県深谷市に位置する「渋沢栄一記念館」。 平成7(1995)年11月11日(栄一の祥月命日)に開館しました。

ところで、新一万円札は、表面に渋沢栄一の肖像、裏面には「赤レンガ駅舎」として知られる重要文化財の東京駅(丸の内駅舎)が描かれています。

国立印刷局の「新しい日本銀行券特設サイト」には、新しい一万円札のデザインや偽造防止技術、ユニバーサルデザイなどの 詳細情報が掲載されていますので実際に手にするまでにご覧になっておいてはいかがでしょう。(https://www.npb.go.jp/index.html)

さて本題に戻り新一万円札に描かれた肖像の主、約500もの企業の設立に関わり、実業界で活躍した近代日本経済の父といわれる渋沢栄一の人と 業績を紹介する「渋沢栄一記念館」をご紹介してゆきましょう。

渋沢栄一(雅号「青淵」)は、天保11(1840)年、現在の深谷市血洗島の農家に生まれました。

農業、養蚕、藍玉の製造などを営む家に生まれた栄一は14歳の頃から父の仕事を手伝い、商売ですでに頭角を現わします。

また一方では、従弟の尾高惇忠(雅号「藍香」)から「論語」をはじめとした学問を学ぶとともに尊王攘夷思想の影響を受けました。

23歳の頃幕藩体制に疑問を抱いた栄一は惇忠等とともに高崎城を乗っ取り、横浜外国商館を焼き打ちする計画をたてますが 惇忠の弟・長七郎の説得により中止、故郷を離れ京都に向います。

その後一橋家、さらに幕府に仕え、慶応3(1867)年、第15代将軍徳川慶喜の名代徳川昭武に随行し渡欧しました。 約一年半欧州に滞在する間、栄一は欧州の進んだ社会制度・思想・文化などを体験する中で大きな影響を受けました。

明治元(1868)年11月に帰国した後、栄一は、静岡に商法会所を設立。翌年には明治政府に迎えられ、様々な制度を企画・立案しましたが、 明治6(1873)年大久保利通などと対立し辞職に至ります。

その後栄一は、第一国立銀行を設立するなど実業界で活躍し「道徳経済合一説」を唱え、500余りの企業の設立・育成に関わりました。

また、600以上の社会福祉事業や教育にも関わり、昭和6(1931)年に亡くなるまで国際親善に貢献しました。

「渋沢栄一記念館」資料室では渋沢栄一の遺墨や写真、資料などが多数展示されています。

また、2階講義室では渋沢栄一アンドロイドによる講義を受講することができます。(要予約)

さらに、渋沢栄一記念館・体育館では渋沢栄一紹介ビデオが上映されていますので、お時間があれば視聴されるのもいいかもしれません。

裏庭には渋沢栄一の巨大な銅像も展示されています。

さらに渋沢栄一記念館周辺には、栄一が幼いころから学び生涯を通して親しんだ「論語」にまつわる史跡群「論語の里」が展開されていますので、 巡ってみるのもいいかもしれません。

特に栄一が23歳まで過ごした旧渋沢邸「中の家(なかんち)」や7歳頃から師事した尾高惇忠の生家などはおすすめです。

渋沢栄一の人と業績について分かりやすい展示が多いので、夏休みのお出かけスポットとしてもおすすめです。 お子様の夏休みの自由研究の参考になるかもしれません。









【赤ちゃん連れのお母(父)様へ】
・「渋沢栄一記念館」はベビーカで入館できます。
・おむつ交換できる多目的シートを設置しているトイレがあります。



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渋沢栄一記念館


資料室



講義室 渋沢栄一アンドロイド



吹き抜け



2階展示 



旧渋沢邸「中の家」 正門


主屋

庭園


尾高淳忠生家






施設情報

渋沢栄一記念館

住所: 埼玉県深谷市下手計1204

TEL:048‐587‐1100
開館時間:
資料室:午前9時〜午後5時
講義室(アンドロイド):午前9時30分〜午後4時30分
(最終講義は3時30分から)
休館日:年末・年始
(12月29日〜翌年1月3日)
  臨時休室日有・詳細は以下のHPでご確認ください
資料室のみ休室…2024年6月10日(月曜日)、12月26日(木曜日)
観覧料:*資料室、講義室の見学は無料
記念館・ *予約が必要な場合有(詳細はHPでご確認ください)



詳しくは直接お問い合わせいただくか
渋沢栄一記念館をご覧ください。

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