特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第48回 桂離宮 その7 月波楼

前回書院群の外観をざっとご覧いただきましたが、今回は桂離宮の書院の中でも最も特色ある古書院の 月見台からはじめましょう。

月見台は、広縁から池に突き出すように竹の簀の子で作られた月を鑑賞するために設置された露台です。



屋根がないため非常に開放的で、前方にさえぎるものがほとんど設置されていないので、 離宮でもっとも視野が開かれている場所だといわれています。



左手後方に位置する「月波楼」や池の対岸の松琴亭、右手の笑意軒など苑内の景観を一望でき また、納涼の場としても活用されたことでしょう。

観月の施設として中空に差し掛かる月が池に映る配置は最適だそう。

さて、書院を後にして次に向かうのがこのツアーの最後の見どころ「月波楼」です。 北向きの破風に「月波楼」の額が掛かっています。 「月波楼」とは、白楽天の西湖詩の句からの引用で、楼とは月見用の建物のことだそう。



観月を目的とした間取りは秋の風情を楽しむことができるようにデザインされています。

紅葉の馬場を臨む西向きの窓の上部には、「歌月」の扁額がかけられています。



池に面した座敷からは様々な角度から月を愛でることができそう。 池に映る月を楽しんだかもしれません。



土間を囲む間取りもしゃれています。。



天井は葦簀をはった上に竹の小舞を垂木で支えた化粧屋根裏が広々と明るく美しいデザイン。



土間の西端の膳組の間の釣戸棚、左右の棚などの配置も使い勝手よく、水屋の床近くの下地窓などのデザインも秀逸!





小規模ながら凝ったデザインの月波楼は見どころ満載です。

次号に続く。