アート&クラフト

第10回 「豊田市美術館」(愛知県豊田市)

名古屋から東名高速で、30分程の豊田市に、1995年オープンした豊田市美術館は、 国内外の近現代アートを収集、展示する総合美術館として知られています。

豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp

ニューヨーク近代美術館新館もデザインしている建築家、 谷口 吉生氏の代表作といわれる美術館建築自体も前々から興味を持っていたところへ、 企画展「ガーデンズー小さな秘密の庭へ」展(12月24日まで)に誘われ取材に。

広い駐車場から坂道を登っていくと、 この場所にかつて「七州城」があったことを 思い起こさせる隅魯が復元されています。

アプローチをさらに進むと、シャープな美術館の建物が、 円形の池の先にすっきりとした姿を現します。

ガラス張りのエントランス正面には、壁面をいっぱいに使った 《フラワー・ウォールペーパー》という企画展出品作品が 華やかに入り口を飾っています。

展示室には観葉植物の葉をレースでトリミングした作品や コンクリート・ブロックに上がって様々な視点を体験してみる作品、 狭い隙間から覗くと緑のジャングルにアザラシが顔をだしている作品などが展示。

このサイトの編集者ブログでも一度ご紹介したことのある 照屋勇賢の紙袋の中の小宇宙《Notice-Forest》や お菓子でできた島などを見ることができます。

エルネスト・ネト《私たちのいる神殿のはじめの場所、小さな女神から、世界そして生命が芽吹く》という作品は 靴を脱いで、布でできた大きなテントのような空間にはいっていく体験型の作品です。
この中には、さわり心地の良い素材でできた、パステルカラーの様々な オブジェが設置され、鑑賞者が好きなように置き換えたり、ねじったり、 結んだりして形を変えて参加できます。
入ってくるなり皆様気持ちよさそうに腰をおろしたり、 中には横になってしまう方も。子供たちはごろごろと転がって大喜び。
心地よい香りも漂っているので、この作品にはすっかりくつろいでしまいます。
こんな作品なら小さなお子様でも充分楽しめますね。

さらに奥にはイチゴの甘い香りが漂う、水耕栽培を利用した作品《ガール・オブ・ランド》や 白一色で表現した《泉》という作品などなど。

それぞれのアーティストたちの「ガーデンズ」が味わえ とても新鮮な感覚になります。

常設展示は、クリムトやココシュカ、エゴンシーレの油彩、 マッキントッシュなどのデザインや、河原 温など日本の現代美術、 宮脇 綾子のアップリケ作品などなど盛りだくさん。

2階に上がると、ガラス越しに 鏡を多様したインスタレーションの向こうに 大池が広がる気持ちの良い光景が展開されます。
前庭には、ヘンリームーアなどの屋外作品が点在。

西側には豊田市街が見渡せるテラスと、「レストラン七州」があり、 レストランではランチやティータイムを楽しむことができます。

別館では漆工芸家高橋節郎の代表作品が展示され、 取材させていただいた日はここで、 ピアノコンサートが開催されていました。

敷地内には、「童子苑」や「又日亭」の茶室がありますので お抹茶で一服するのも良いでしょう。

和と洋の芸術・文化を両方楽しめる本当に贅沢な空間と景観がここにはあります。

本当に贅沢な時間を過ごしにいらしてみませんか?




赤ちゃん連れのお母様への情報:
一階と別館のトイレにオムツ換えスペースがあります。 授乳スペースについては、美術館にご相談ください。


このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまの気に入りの 美術館情報を募集しています。 お問い合わせフォームからか、もしくはinfo@ktai-supli.jpまで是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せくださいね。
お待ちしております。

豊田市美術館

豊田市美術館

豊田市美術館

豊田市美術館 彫刻テラス

豊田市美術館 大池

豊田市美術館 大池

FRONT 《フラワー・ウォールペーパー》 2006年 photo. Keizo Kioku

FRONT 《フラワー・ウォールペーパー》 2006年 photo. Keizo Kioku

エルネスト・ネト 《私たちのいる神殿のはじめの場所、小さな女神から、世界そして生命が芽吹く》 2006年 photo. Keizo Kioku

エルネスト・ネト 《私たちのいる神殿のはじめの場所、小さな女神から、世界そして生命が芽吹く》 2006年 photo. Keizo Kioku

ジャック・ヴィエイユ 《ガール・オブ・ランド》 2006年 photo. Keizo Kioku

ジャック・ヴィエイユ 《ガール・オブ・ランド》 2006年 photo. Keizo Kioku

屋外作品 金子潤「ワイド・ダンゴ」

屋外作品 金子潤「ワイド・ダンゴ」



美術館情報

豊田市美術館

住所:
愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1
TEL.0565-34-6610
FAX.0565-36−5103

詳しくは、美術館(ミュージアム)にお問い合わせいただくか、
美術館ホームページをご覧ください。

*こちらの記事は、美術館より許諾を頂いております。