アート&カルチャー


第136回 石神井公園ふるさと文化館分室
NERIMA SHAKUJIIKOEN FURUSATO MUSEUM
(東京都練馬区)



8月、夏真っ盛りですね!

夏休みも中盤、気分転換に、東京近辺のお子さま連れお出かけスポットをさがすママたちも 増えてきたかもしれません。

そこで今回は、「赤ちゃん連れでも楽しめるミュージアム」にぴったり、 この夏休みを通してご家族皆様で楽しめる絵本作家さんの個展を開催している 緑深い公園に囲まれたミュージアムをご紹介しましょう。

練馬区に位置する都立石神井公園に隣接する、練馬区立石神井松の風文化公園内に、 2014年4月に開室した「石神井公園ふるさと文化館分室」です。

石神井公園ふるさと文化館分室
https://www.neribun.or.jp/furusato.html

文芸、音楽・音響分野を支柱に、練馬区ゆかりの文化人の常設展示や年に数回の企画展、 また、芥川賞作家・五味康祐が大変愛好したクラシック音楽、オーディオ装置に関する展示を開催しています。

現在開催されている展覧会が分室特別展「デビュー30周年記念 いとうひろし展―みつけよう、わくわくのタネ」 (2017年10月15日(日)まで)。 

取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。

アクセスは西武池袋線「石神井公園駅」下車徒歩15分。または、西武バスで「石神井郵便局」下車1分。 「石神井公園ふるさと文化館分室」のある石神井松の風文化公園正門は、郵便局の目の前です。

「石神井公園ふるさと文化館分室」は、その公園内の木立に囲まれた庭球場、多目的広場、松林の広場、 花と木立ちの広場、駐車場(有料)の中心となる公園管理棟に併設されています。

公園正門から庭球場を横目に緑豊かなアプローチを進むと、正面にクラブハウス風建物が見えてきます。 こちらが、「石神井公園ふるさと文化館分室」のある管理棟。

アプローチから建物までどことなく欧米風たたずまいが印象的! ここがもとは日本銀行石神井運動場であったものを2008年練馬区が買い取り、 整備して2014年「石神井松の風文化公園」として開園した施設だからでしょうか。

建物入り口を入ると、吹き抜けのロビー、2階に上がる階段室のアーチ型天井、建物ファサードの半円形窓、 壁面の木彫レリーフ、2階の窓からゆったりと眺められる緑の景観などに優雅な日銀時代の名残をみることができます。

さて、「デビュー30周年記念 いとうひろし展―みつけよう、わくわくのタネ」は、 ロビー右手の「練馬ゆかりの文化人」展示室で開催されています。

練馬区ゆかりの絵本作家・いとうひろし(1957年〜)さんは、今年でデビュー30周年を迎えます。 代表作の「おさる」シリーズや「ルラルさん」シリーズをはじめ、独特のユーモアを交えた空想の楽しさがあふれた作品たちは 多くの子どもたちに親しまれています。

今回の個展では、代表作の原画約50点のほか、書籍や自作オブジェも展示され、「わくわく」の広がる、いとうひろしワールド が展開されています。早速観てゆきましょう。

まずは、「みなさんへ」という作者のステキなメッセージ!

続いて、デビュー作『みんながおしゃべりはじめるぞ』や『トンカチぼうや』、『すなばのだいぼうけん』 など想像力を刺激されるカラフルな原画が並びます。

そして、「よくみて、きいて、さわってみる 石、木、砂、池、マンホール、・・・ いつも見慣れた身近なものをゆっくり、じっくりみてみる。そして、よくきいてみたり、さわってみたり。 いろいろなお話が生まれてきます。」という展示されたことばにもなーるほど!

「いろんなともだち」をテーマにした『なにしてあそぼう ちゃんとりん』原画もおもわず見入ってしまう作品。

続いて展示されている「ルラルさん」のイメージスケッチも興味深いです。

奥のコーナーには「ルラルさん」シリーズ、「おさる」シリーズの原画が多数展示。原画はやはり迫力満点!

そして、「おもいっきりあそぼう 動物や虫たち、落ち葉やどろんこ、雲の世界はどんなところでしょう。 自然の中にも楽しい物語がいっぱいです。」というメッセージが掲げられたコーナーでは、 『フウちゃんクウちゃんロウちゃんのふくろうがっこう』や『へんたこせんちょうとくらげのおうさま』、 『どろんこどろちゃん』などの自然からイメージした作品原画が展示されています。

「たった1本の線でどこまで広く深く複雑な世界が描けるか。絵本のおもしろさは、そこだと思っています。」 という作者のコメントとともに展示されている『おさるがおよぐ』原画も魅力的!

さまざまな原画展示に加え、大型絵本なども設置された読書コーナーやきょうだいのお話「ごきげんなすてご」のイメージを背景にした 撮影コーナー、作品アニメコーナーなどもありますので、小さなお子さまから大人までわくわく楽しむことができるでしょう。

アニメ作品には第27回講談社出版文化賞絵本賞受賞作品『だいじょうぶだいじょうぶ』のタイトルなども並びます。

「デビュー30周年記念 いとうひろし展―みつけよう、わくわくのタネ」、 絵本作家・いとうひろしさんの作品世界の魅力がぎゅっとつまった展覧会、おすすめです! (2017年10月15日(日)まで) 

また、この「いとうひろし展」関連イベントとして、2017年9月9日(土)には、いとうひろしさんご自身の講演会 「絵本がうまれる 絵本からうまれる」(要申込)が開催されます。

9月24日(日)には「おはなし会」、8月5日(土)、9月16日(土)10月7日(土)には展示解説も実施されますので、 石神井公園ふるさと文化館分室HPで詳細をチェックして参加されるのもいいかもしれません。

さて、「いとうひろし展―みつけよう、わくわくのタネ」をたっぷり楽しんだら、常設展示、「石神井ゆかりの文化人」コーナーにも立ち寄ってみましょう。 このコーナーには、「石神井ゆかりの文化人」の方々の写真などが並んだパネル展示、石神井公園の近くに長く住んだ 詩人・小説家・檀一雄に関する資料や檀一雄の書斎が再現展示されています。

また、お時間があれば、2階の「オーディオの神様」と称された五味康祐の資料展示室やオーディオ展示室に 立ち寄るのもいいかもしれません。

五味康祐資料展示室には、数々の貴重な機器や資料などが並び、定期的にレコードコンサートや音出しの試聴が行われているそうです。 オーディオファン、音楽ファンには見逃せない施設ですね。

さて、たっぷりと特別展と常設展示を楽しんだら、1階のカフェで、公園の緑を眺めながらほっと一息つくのもいいかもしれません。

軽食やドリンク、冷たいスウィーツなどが揃っています。

8月の一日ご家族で「石神井公園ふるさと文化館分室」にいらして 「デビュー30周年記念 いとうひろし展―みつけよう、わくわくのタネ」 を楽しんでみませんか?(2017年10月15日まで)

「わくわくのタネ」がいっぱいちりばめられた展示をみたり絵本を読んだり、アニメを見たり、撮影コーナーで写真をとったり、 ステキなひと時を過ごすことができるでしょう。

隣接して自然豊かな石神井公園やスポーツの楽しめる石神井松の風文化公園、徒歩10分には「石神井公園ふるさと文化館」もありますので、 四季折々お立ち寄りになるのもおススメです。

石神井公園ふるさと文化館
https://www.neribun.or.jp/furusato.html









【赤ちゃん連れのお母様へ】
・「石神井公園ふるさと文化館分室」はベビーカーで入館できます。
・おむつ交換は、館内1階の多目的トイレのベビーシートが利用できます。
・1階ロビー脇に「授乳室」が設置されていますので安心です
・石神井松の風文化公園の一角に有料駐車場があります。






このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




石神井松の風文化公園

石神井公園ふるさと文化館分室
(石神井松の風文化公園管理棟)

石神井公園ふるさと文化館分室
(石神井松の風文化公園管理棟)

「デビュー30 周年記念 いとうひろし展
−みつけよう、わくわくのタネ 」会場風景

『ルラルさんのにわ』(ポプラ社2001年)部分

会場風景

会場風景(撮影コーナー)

会場風景(アニメコーナー)

壇一雄 書斎イメージ再現コーナー

五味康祐資料展示室

カフェ







 



施設情報

練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室

住所:東京都練馬区石神井台1−33−44
石神井松の風文化公園管理棟内

TEL:03-5372−2572

開室時間:
9:00〜18:00

休室日:
毎週月曜日(祝休日の場合は開室、翌平日は休室)
年末年始、展示会替え期間

観覧料:
無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
石神井公園ふるさと文化館分室 をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:石神井公園ふるさと文化館分室

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