第5回 グラン・パレ(Grand Palais)〜ルーヴル美術館(Musée du Louvre)



”Flânerie ”(そぞろ歩き)第5回目は、パリの北西部、8区を横切るシャンゼリゼ通り(Avenue des Champs Elysées)からルーヴル美術館まですっきりと展望できるパリの顔ともいえる一角を歩きます。

西は凱旋門(Arc des Tryomph)のあるシャルル・ド・ゴール広場(Place Charles du Gaulle)、東はコンコルド広場(Place de la Concorde)、テュイルリー公園(Jarin des Tuileries)、カルーゼル広場(Place du Carrousel)、ルーブルのピラミッド(Musée du Louvre Pyramid)へとスーッと直線的に見通せる気持ちのよい散歩道です。

凱旋門からさらに西に目を向ければ、ラ・デファンス地区の超高層ビル「グランダルシュ(Grande Arche)」へと東西に長く伸びるこの直線は、「パリの歴史軸(axe historique)」と呼ばれているとか。 この直線、もともとは、テュイルリー公園の前身、テュイルリー宮殿とその庭園の中心軸だったんですね。公園から凱旋門方面をのぞむとよく分かります。



さて、今回の漫ろ歩きは、グラン・パレ(Grand Palais)から始まります。

Grandpalais Hp
http://www.grandpalais.fr/fr/

グラン・パレは、1900年のパリ万博のメイン会場として建設されました。
シャン・ゼリゼ側は、フランス国立の企画展ギャラリー、グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーとなっていて、毎年大規模な企画展が開催されていますので、立ち寄ってみるのもいいかも。

ちなみに、2010年2月は大変興味深いTurner and the Masters(ターナーと巨匠たち展)が開催されていました。

グラン・パレの建築様式は、イオニア式の列柱に彫刻があしらわれた荘重、華麗な古典的石造です。






重厚な印象ですが、シンボルでもある、高さ43メートルの鉄骨とガラス張りの丸い屋根は、建築当時の最新の技術が象徴されていて、全体的にはユニークなデザイン。

建物は多くの彫刻に囲まれています。正面入り口の大理石彫刻は、右に「技の実現」、左が「美への感動」と題され、グラン・パレが芸術作品とオーディエンスとが出遭う場であることを表現しているそうです。

建物西側の一角には、科学技術博物館「発見の殿堂(Palais de la Decouverte)」が開設され、建物中央部は、ファッションショーや展示会などが開催される場となっています。



道を挟んで建っているのがプティ・パレ(Petit Palais)。グラン・パレと同じように1900年のパリ万博のために建てられました。グラン・パレを小型にしたような佇まいです。

現在は、パリ市立プティ・パレ美術館(Petit Palais, Musee des Beaux-Arts de la Ville de Paris)として使用されています。

Petit Palais
http://petitpalais.paris.fr/



上記2棟の建物は、セーヌ川に架かるアレキサンダー3世橋(Point Alexandre V)や対岸のアンヴァリッド(Hotel des Invalides)と合わせて、調和のとれた景観を形作っています。



美しい橋を横目にしばらくいくと、コンコルド広場(Place de la Concordeにでます。 約7万5000平方メートルの巨大な広場。

1755年、設立された当初は、「ルイ15世広場」と呼ばれていました。 その後、フランス革命当時は「革命広場」となりフランス革命中には、 ルイ16世やマリー・アントワネットたちの斬首の場となりました。 1795年、コンコルド広場と改名され、中央に23メートルのオベリスクが建てられ、 以来世界で最も有名な広場の一つになっていますね。



広場を越えると、チュイルリー公園です。
パリ最古の公園であったものを、ヴェルサイユ宮殿の広大な庭園をデザインした ル・ノートルが改造した美しいフランス式庭園。
四季折々パリ市民の憩いの場として親しまれています。







美術館とテュイルリー庭園の間に位置するカルーゼル広場に建っているのが、カルーゼルの凱旋門(Arc de Triomphe du Carrousel)です。

1806年から1808年にテュイルリー宮殿の門として建設されたもので、ナポレオンのそれまでの戦勝を記念して建設されました。

高さ19メートル、幅23メートル、奥行き7.3メートル、花崗岩製のコリント式円柱が8本あるなかなか美しい門ですね。



その先にはルーヴル美術館のピラミッドが見えます。



パリのメインストリートの漫ろ歩き、いかがでしたか?
今回は、パリの歴史軸の東端を歩いてみました。
それでは、ほっと一息ルーヴル美術館のカフェで一休みすることにしましょうか。