第6回 ノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre-Dame de Paris)〜植物園(Le Jardin des Plantes )



”Flânerie ”(そぞろ歩き)第6回目は、パリの中心シテ島(Ile de la Cite)に聳えるノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre-Dame de Paris)から サンルイ島(ile Saint-Louis) を通り植物園(le Jardin des Plantes )まで歩きます。 シテ島もサンルイ島もパリ発祥の地と言われるセーヌ川の中洲で、独特の雰囲気が漂う地域、漫ろ歩きには格好の散歩道かもしれません。



さて、ノートルダム大聖堂は、ゴシック建築の華といわれる教会のひとつであり、現在もパリ大司教座聖堂として使用されているフランスのローマ・カトリック教会の大聖堂です。

The Cathedral of Notre-Dame de Paris
http://www.notredamedeparis.fr/-English-

ノートルダムとはフランス語で「私たちの貴婦人」つまり、聖母マリアを意味します。聖母マリアを冠したノートルダム大聖堂は、フランス各地に数多く存在します。主だったものには、ランス、シャルトル、アミアン、ストラスブールなどがあげられ、いずれも素晴らしいゴシックの大聖堂で、周辺の文化遺産とともに世界遺産となっています。

ノートル・ダム大聖堂ももちろん「パリのセーヌ河岸」という名称で、周辺の文化遺産とともに1991年にユネスコの世界遺産に登録されています。

ノートルダムの地は、ローマ時代には多神教の神域でしたが、ローマ崩壊後、キリスト教徒はこの地にバシリカを建設しました。そして、1163年、司教モーリス・ド・シュリーによって、現在にみられる建築物が着工されました。

ファサードを構成する双塔の建築は1250年、 ヴォールトを支えるフライング・バットレスは最終的に1345年までかかったそう。ヴォールトとは、天井のアーチ面を水平に押し出し広い空間を柱の数を少なく支える建築構造。また、フライング・バットレスとは、空中にかけられたアーチ状の飛梁。この両者の構造でバラ窓も可能となったというわけです。

ファサードを装飾する彫刻など多くの部分は、1844年から1864年にかけてヴィオレ=ル=デュク (Eugene Emmanuel Viollet-le-Duc、1814 - 79) によって修復されて、ほぼ今日目にする姿になっています。

ファサードは、2つの塔とバラ窓、入り口正面を覆う素晴らしい彫刻など見所満載! 3ヶ所の扉口にはそれぞれ違った趣向の彫刻がびっしりと彫られています。

最後の審判の扉口、聖母戴冠の扉口、聖アンナの扉口です。





伺った折には、丁度イースター前のミサが荘厳に執り行われていて 世界中からの多くの信者の方々でいっぱいでした。

現在も活きている聖堂は敬虔な祈りで満たされています。



有名な北翼廊バラ窓。聖母マリアを暗示しているといわれるバラ窓からの光は いやが上にも神聖な雰囲気を盛り上げています。
そして、聖歌隊の清らかな調べ。
お時間があえば、大聖堂のミサ体験は、おススメです。



さて、パリ4区に属するサン=ルイ島 は、ノートルダム大聖堂の背後に位置し、古くから貴族や著名人などセレブな人々が邸宅を構える最高級住宅地として知られています



島内には、お洒落なアクセサリー店や雑貨店などが並び、しばしば漫ろ歩きの足を引きとめます。





ウィンドウショッピングの一休みにはグラシエール・ベルティヨン(Glacier Berthillon)という老舗のアイスクリーム店へ。

Glacier Berthillon
http://www.berthillon.fr/





サンルイ島から左岸に渡る橋から、ノートル・ダム・ド・パリ後陣のフライング・バットレスの美しい姿が眺められます。



しばし、セーヌと大学キャンパス、研究所などを横目に進みます。



植物園(le Jardin des Plantes )の庭園は、パリ5区に位置し、フランスの国立自然史博物館に所属する広大な公開公園。

植物園(Le Jardin des Plantes )
http://www.jardindesplantes.net/

春には桜が咲き、お花見も楽しめそう。
残念ながらこの日はウメの花がちょこっと咲いている程度でした。 良い季節に再訪することにしましょう。

パリ市発祥の地、シテ島とサンルイ島辺りは、中世の面影の中に新しさが混在するおススメの散歩道です。