第8回 サン・シュルピス教会(Eglise Saint-Sulpice)〜サン・ジェルマン・デ・プレ(St-Germain-des-pres)界隈 



”Flânerie ”(そぞろ歩き)第8回目は、前回のパリ左岸6区のリュクサンブール界隈のサン・シュルピス教会(Eglise Saint-Sulpice)からサン・ジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain- des- pres)界隈にかけて歩きます。この界隈は個性的なショップが連なる漫ろ歩きにはうってつけのエリアです。

立派な噴水が特徴のサン・シュルピス広場には、ノートルダム大聖堂に続き、パリで2番目の威容を誇るサン・シュルピス教会が聳えています。

もとは、この地域の農民のためにサン・ジェルマン・デプレ教会が建てた小さな教会だったそうですが、増築を重ね拡大。17世紀には、6人の建築家により約140年の歳月をかけてほぼ現在のような壮大な姿にリニューアルされたそう。

教会前の広場には、ルイ・ヴィスコンティ(1791-1853)の設計による重厚な彫刻が特徴の『4人の枢機卿の噴水』があります。彫刻されているのは、ボシュエ、フェヌロン、マシヨン、フレシエの4人。説教家や作家として活躍した司教たちなのですが、いずれも枢機卿になった事がなかったそう。で、『4人の非枢機卿の噴水』とも呼ばれているとか。

サンシュルピス教会(Eglise Saint−Sulpice Paris)
http://www.paroisse-saint-sulpice-paris.org/



内部には、ドラクロアが装飾した作品が残されています。
彼のフレスコ画の大作、『悪魔を撃つ大天使ミカエル』や『天使とヤコブの闘い』などは必見!



この教会、ドラクロアの作品はあるけれどステンドグラスは地味、フランスでも指折りのパイプオルガンを加えても観光スポットとしてはいささか地味な印象ですね。



しかし、最近異変が!

観光客のお目あては、2006年公開されたアメリカのミステリー映画『ダ・ヴィンチ・コード』(The Da Vinci Code)の舞台。

真偽はともかくこの映画の原作を携えて訪れる観光客がふえたそうです。

この界隈にはカラフルな人力車も活動中。



サン・シュルピス広場界隈には、教会関連商品のショップや母と娘の親密なファッションを提案するコントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)やインテリアや雑貨のコントワー・デ・ファミーユ(Comptoir de Famille)などの有名店が目白押し。



そして、教会脇の小道をウィンドウショッピングをしながら進むと、ケーキやパン、お惣菜で有名なジェラール・ミュロ(Gerard Mulot)の本店があります。

Gerard Mulot
http://www.gerard-mulot.com/

白い外観が印象的なシックなお店で、いつもとっても多くのお客様でにぎわっています。



お店の一角には、簡単なイートインコーナーがあり、 飲み物も頼めるので、サンドイッチやキッシュとセットで簡単なランチやティーが楽しめます。こちらで、いろいろテイクアウトしてリュクサンブール公園でピクニックもいいかも。



そしてお土産にはケーキ。 リュクサンブール公園でもこの濃いピンクの袋を持って歩いている方を多くみかけました。この界隈で愛されているのですね。



ミュロお店の前には築地に本店があるお茶屋さんが開いた日本茶専門店が。

寿月堂
http://maruyamanori.net/sp/paris02.html



さらに進むと旧サン・ジェルマン市場が見え隠れ。現在は立て替えられ多くのブティックが入っていますが、昔は住民の食料を賄う地区市場だったそうです。 



界隈にはかわいくて洒落た子供服のお店から自然派コスメ店、インテリアショップ、雑貨展など個性的なお店がひしめいていてウィンドウショッピングだけでも楽しめます。



この日の夜はミシュランのビブグルマン(お手ごろの良質店)のマークがついたレストランの予約をホテルのコンシェルジェに依頼して、席を確保。前菜には魚介のテリーヌ、メインは魚のポワレを賞味。



デザートは抹茶風味のクレーム・ブリュレをチョイス。



日本茶専門店がオシャレな街に進出したり、フランス料理に繊細で伝統的な日本の風味が生かされたり、回転すしから、より広範囲に深く日本のテイストが生かされるようになってきたようですね。

サンジェルマン界隈のフラヌリーはまだまだ続きます。次回はさらにディープなスポットをご紹介しましょう。
お楽しみに!