第4回 Hawaii花散歩

ホノルルやハワイの町を歩いていると、どこからともなく良い香りがしてくることがあります。そして、ふと目をやると美しい花々が目に飛び込んでくる。 一度でもハワイに行ったことのある方はそんな経験をしているのではないでしょうか?

寒い寒い冬のある、日本人にとっては本当にうらやましいのがこの一年中咲き乱れる花たちです。 今回は、ワイキキ周辺でも見られるエキゾチックな花たちを少しご紹介。

でも、先に言ってしまいますが、この花たち実はほとんどがハワイ原産のものではありません。1900年代初頭ワイキキに次々とホテルが建設された時代に世界中から、あたかも南国風の花がハワイに集められたのです。

「この花はどこから来たのかな?」と思いをはせながら歩くのも楽しい花散歩です。



まずは、プルメリア。ハワイと言えばこの花を連想する方も多いでしょうね。 私もその一人です。

とても優雅であま〜い香りのこの花は大きく分類するとサボテンと同じ多肉植物の仲間に入ります。様々な色や形がありますがなんと600種類以上のプルメリアがあるというから驚きです。

残念なことに現地では「プルメリア!?あれはお墓の花だよ。」なんていう人もいるんです。確かにハワイの墓地を見てみると…プルメリアが咲いています。

美しい花の下で永遠の眠りにつく、と考えれば素敵ですかね?

トロピカルの王道はハイビスカスです。

Pretty red hibiscusという歌がありますが、「世の花々はみんなよい香りがするのに、なんで君には香りがないんだろう。でも、香りがなくたって君が一番美しいよ。」といった感じの歌詞で、この歌を聴くと真っ赤なハイビスカスを思い出します。

赤やピンク、最近では紫色など華やかな色と形でお馴染みですが、とても清楚なKokio keokeo と呼ばれるハワイ固有種のハイビスカスもあります。白く小ぶりな花に鮮やかな赤の花芯でとても美しい花ですから、ぜひみつけてみてください。



ビーチに行くとよく見かけるのがビーチナウパカ、淡い黄緑色の葉っぱの低木で可憐な小さな花を咲かせます。でもこの花、ちょうど一つの花を半分にしてしまったような形をしています。



実は片割れにマウンテンナウパカという花が…。昔々、えらい酋長の娘と平民の若者が恋をしました。酋長の怒りを駆ったふたりは永遠に会えないように若者は山に娘は海に遠ざけられてしまいました。悲しんだ若者はマウンテンナウパカに娘はビーチナウパカになったといわれています。

恋人同士がこのマウンテンナウパカとビーチナウパカを持ち寄って一つの花にしてあげると恋が実るといわれています。

ハワイ王朝ゆかりの花と言えばイリマです。ビーチや少し乾燥したような場所に咲く地面を這うように広がる低木ですが、明るいオレンジの薄い薄い花びらの花を咲かせます。



この花を一つ一つ摘み取って花芯の所を糸に通して太いロープのように仕上げたレイがフラダンサー憧れのイリマのレイで、昔は王族しか身に着けられなかったそうです。

今でもイリマのレイを買おうとするとその理由を聞かれたり、あなたはちゃんとフラダンスを習っているんですか?と聞かれたりするそうですよ。

ハワイやフラを知る人にとって見かけるとちょっと気が引きしまるのがイリマです。

ネーミングの面白さでは千日紅。日本でもおなじみの花ですが、ハワイではもっぱら“BOZU”と呼ばれています。そのとおり、坊主頭のBOZUです。

南国らしいアンスリウムの花もその栽培や品種改良に尽力したのが日系人だそうで“OBAKE”“MIDORI”など日本語の名前が付けられているものも多いので、色も形も名前も楽しめる花です。



最初に外来種が多いと述べましたが、外来種、固有種にかかわらずハワイの花を調べていくとそれぞれの花に逸話や迷信、タブー、使用法などが事細かにあることに気が付きます。それだけハワイの人々が花を愛して生活に取り入れてきたことがよくわかりますよね。



朝市で買った生のお花の一束をテーブルに飾れば、もうすっかり長年ハワイで暮らしていたような気分になるから不思議です。




【作者プロフィール】
熊沢万里子
武蔵野美術大学卒
練馬区、杉並区にてクレイクラフト教室Craft Gardenを主宰。
http://members3.jcom.home.ne.jp/0368448901/




  【お知らせ】
  3月22日(木)より4月4日(水)
渋谷 東急本店5階 エスカレーター横
ハワイフェアにmele mahinaが出店いたします。

mele mahinaオーナー熊沢万里子のクレイクラフトによるフラワーアレンジとアクセサリーの販売。



自身がハワイの島々から集めた選りすぐりのアーティストやクラフターの作品、今季日本メジャーデビューマウイ島の女性画家 Kirsten Bunny の絵画も見逃せません。



日本では、ここでしか出会えないハワイの作家作品をお楽しみください。

mele mahina ワークショップも以下の日程で開催いたします。



3/22.24.26.28.30 4/1.3
制作時間約1時間
参加料金 2000円〜  (税抜 材料費込)