特集: タイムシェアで過ごすHOLOHOLO DAYS
第9回 ビショップ博物館



今回は、ハワイとポリネシアの歴史や文化、自然をじっくりと堪能できるビショップ博物館をご紹介します。


<ビショップ博物館(ビショップ・ミュージアム)外観>

ハワイの博物館と言えば真っ先に上がるのがこのビショップ博物館ですが、ワイキキからは少し離れた場所にあるため意外と足を運んでいらっしゃらない方が多いのも事実です。所蔵品やプログラムはもちろん展示のメインとなる本館は外装がハワイの溶岩、内装はウクレレの材料にもなる美しいコアの木がふんだんに使われたハワイ好きには大変興味深い場所です。

ビショップ博物館は、カメハメハ王家最後の直系子孫であるバーニス・パウアヒ女王の追悼として夫のチャールズ・リード・ビショップ氏によって1889年に設立された、ハワイ州最大の博物館です。パウアヒ女王が相続した王家伝来の美術工芸品に加えハワイ諸島とポリネシアの学術的収集品は200万点を超えるといわれています。

まずは、ミュージアムの象徴、本館の正面入り口を入ると左側にはカヒリルームと称される展示室があります。カヒリとは王家の人間がその場にいることを知らせるために侍従が持っていた鳥の羽のついた飾りで、歴代の王家の人々の肖像画やポートレートと一緒に展示され格式の高い展示室になっています。ミュージアムを訪れる観光客はもちろん地元の見学者や学校の子供たちも必ずこの部屋を熱心に見学しているので、ハワイ王家がいまだ人々に愛されていることを感じることができます。


<カヒリルーム>

そして、本館の右側にはハワイアンホールと呼ばれる吹き抜けの豪華な展示室が現れます。


<コアの彫刻>

こちらは各階ごとにハワイ王朝ゆかりの品々やハワイの文化や歴史に係る収蔵品が展示されていますが、中でも必見なのは1934年には絶滅してしまったハワイミツスイの羽で作られたカメハメハ大王のケープです。1羽の鳥からたった6枚しか羽が取れないために約8万羽分の羽が使われています。以前に黄色いイリマの花のレイがハワイ王朝やオアフ島を意味することを書きましたが、このハワイミツスイのケープこそが王朝を表す黄色でもあるのです。


<カメハメハ王のケープ>

また、ハワイホールの天井には100年前にニューヨークから持ってこられた本物のクジラの骨が展示されていて3階まで上がっていくと間近に実物大のクジラと対面することができます。


<ハワイアンホール>

ちょっと面白いのはこちらの展示ケース、右側のレイは昔、アリイと呼ばれる酋長たちが身に着けていたものです。トップについている骨の飾りは凛々しく上げた顎を表し、黒い束のネックレス部分は何と人毛でできています。左上部の細かい牙のレイは犬の歯です。お花のレイに限らず身の回りのものを何でも装飾品にしてしまう文化がうかがえます。


<展示ケース>

広場とハワイにゆかりの深い植物たちの植えられたガーデンを挟むとリチャード・マミヤ・サイエンス・アドベンチャー・センターがあります。こちらは2009年のリニューアルとともに新しく作られた科学館でハワイの自然を子供たちが等身大に楽しめるような工夫がされた様々な展示があります。今ではだいぶ大きくなった我が家の子供たちもここに来ると小さかったころのように目を輝かせて実験の様子をみたり体験型の展示を楽しんだりしています。


<科学館(サイエンス・アドベンチャーセンター)>

<展示室内観>

最後にきちんと時間をとって見たいのが、ミュージアムショップです。本物のハワイメイドのアクセサリーや手工芸品、ハワイに関する本、CDなどが豊富にそろっていてかなりディープですが、ワイキキのお土産屋さんに飽きた方々にはおすすめです。

このほかにも、プラネタリウムや期間によってさまざまな展示のされる現代的なキャッスルホール、ハワイの文化を体験できるさまざまなプログラムなどもありますから、ぜひ事前に情報を得てビショップミュージアムを満喫してみてください。


<パンの木>

たくさんの展示物に夢中になった帰り際に本館の前から見下ろすと、ホノルルの町と遠くに真っ青な海が見えて我に返ります。博物館でお勉強..の後にまたすぐにお買いものとグルメのワイキキに戻れるのが頭もお腹も...五感をフルに使って楽しめるハワイなのかもしれませんね。

<参考URL>
ビショップ・ミュージアム
http://www.bishopmuseum.jp/



【作者プロフィール】
熊沢万里子
武蔵野美術大学卒
練馬区、杉並区にてクレイクラフト教室Craft Gardenを主宰。
http://members3.jcom.home.ne.jp/0368448901/