特集: タイムシェアで過ごすHOLOHOLO DAYS
第10回 Keaiwa Heiau 州立公園



最近のメディアを見ていると、お買いものとグルメ志向のハワイから、ハワイ本来の自然や文化に着目したものが増えていてうれしい限りです。特に、ヒーリングやパワースポットに関する記事が多く私もついつい目が行ってしまいます。


<Keaiwa Heiau>

さて、本題の前に少しだけHeiauについて説明をしますね。Heiauとは古代ハワイアンが残した聖域で、祈りや儀式に使われていた場所です。

カメハメハ大王がハワイを統一した時にHeiauの使用は禁止されましたが、近年ハワイアンルネッサンスの運動とともにその重要さやパワーが再認識されています。

もともと、いわゆるパワースポットとしてのエネルギーが多い場所に石で囲ったり石組みの上に祭壇が築かれていたりするそうですが、パワーを感じられるかは別として、私が今まで訪れたHeiauはどこも本当に穏やかで良い空気が流れていたような気がします。

ぜひ、皆さんにもハワイでHeiauと名のつく場所を見つけたら訪れていただきたいと思いますが、古代からハワイアンが大切にしてきた場所ですから、敬謙な気持ちで、本来はきちんとお祈りをして履物を脱いで入るのがよいとされています。


<Heiauの石組み>

中には、人柱が建てられたようなところや、厳密なきまりのあるHeiauもありますから、よくわからない素人の私はガイドさんが同行してくれるとき以外は石組みの外からそっと覗かせていただく程度にしています。

今回ご紹介するKeaiwa Heiau 州立公園は、10年ほど前に友人の牧師夫妻が教会のピクニックに招待してくださった場所で当時Heiauやパワースポットなどに興味のなかった私でも、本当に美しくて癒されてしまうので大好きになった場所です。近年、州立公園の入り口にあるKeaiwa Heiauは数あるHeiauの中でも癒しのヘイアウとして注目され、ホノルルからのツアーも出ているようです。


<Aiea Hights Drive>


<丘を登る道>

ホノルルから車で30分、アロハスタジアムにほど近いAieaからAiea Hightsという閑静な住宅地をひたすら登って行くと、緑が鬱蒼とした終点がKeaiwa Heiauになります。

早速目に入る石組みで囲まれた場所がかつてカフナ(医者や物作りの長も務める神官)やハーブドクターの医学校にもなっていたと言われています。

周辺には魔除けのティーリーフが植えられ石組みの塀の中は、また様々な形に溶岩が並べられていて神秘的、近くにはノニ、ティアレ、などの薬草が現在も植えられていて、先日私が訪れた時も2人の女性が熱心に石組みと薬草を観察していました。


<クックパイン>

周囲に目をやると、空に向かって高々と樹を延ばしている針葉樹がたくさんあることに気が付かれると思います。これが、かつてキャプテンクックがハワイ諸島に種を持ち込んだとされるノーフォークパイン通称クックパインです。

このクックパイン、気を付けてみるとホノルルの町からでも山の上に凛々しくたっている姿を見ることができますし、木目が大変美しいので工芸品にも使われています。


<State Park>

さらにピクニックエリアの奥に車を進めるとマイナスイオンたっぷりの美しいユーカリの森をぐるっと一周5分ほどで周回することができます。


<下界を臨む>

車窓の緑から時々パールハーバーやアイエアの町、青い海がまるで下界を除くかのように見えて、またそれも素敵、この周回路の途中にも東屋があってHeiau横の東屋同様ピクニックには最適です。




<東屋>

本格的にこの公園を楽しみたい方は3時間ほどで回るトレイルもあるそうですが、車でループを周ってしばらくボーっとしていると心底落ち着いてそこがハワイであることすら忘れてしまいそうになるから、やはり特別な力のあるところなのかもしれませんね。


<アリゾナとミズーリ>

帰り道、丘を下りながら遠くにアリゾナ記念館と戦艦ミズーリを見ることができます。

教会のピクニックに招かれて初めてこの場所を訪れた時にご一緒した90歳のおばあちゃまはこの丘の上からアリゾナが日本の特攻隊に撃墜されるのを目撃していたそうです。何とも穏やかなAieaの丘にもそんな時代があったことを思うと、今、私たちが気軽にハワイを楽しめることが本当にありがたいと思うのです。

 



【作者プロフィール】
熊沢万里子
武蔵野美術大学卒
練馬区、杉並区にてクレイクラフト教室Craft Gardenを主宰。
http://members3.jcom.home.ne.jp/0368448901/