特集: flânerie(そぞろ歩き)
<四季折々の京都>
第10回 京都散歩 下鴨神社(賀茂御祖神社)
ユネスコの世界遺産に「古都京都の文化遺産」の1つとして登録されている賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)、通称下鴨神社は、
古代より導きの神、勝利の神としての信仰があり、事始めの神社として京都市民に親しまれています。
5月15日に賀茂別雷神社(上鴨神社)と共に催行される葵祭(あおいまつり)は京都三大祭りの一つとして有名ですね。
建立は京都の社寺の中でもっとも古いもののひとつで、平安遷都の時期にはすでに創建されていたと
伝えられています。
境内には広大な史跡「糺の森(ただすのもり)」が広がり、都市の森として、
近隣住民、京都府民の格好の散歩道になっています。
今回は、こちらをそぞろ歩きましょう。
賀茂川と高野川の合流地点に発達した原生林、「糺の森」は、
およそ12万4千平方メートル(東京ドームの約3倍)の面積があり、
ケヤキ、エノキ、ムクノキなどの広葉樹を中心に、約40種・4700本の樹木が生育しているとか。
なんと紀元前3世紀ごろの原生林と同じ植生が今に残ると聞くと、
漂う大気や景観がさらに貴重なものと感じる参道を進みます。
と、ほどなく、国宝2棟、重要文化財53棟、重要社殿30棟など歴史的建造物が多数含まれる
ユネスコの『世界文化遺産』に登録される賀茂御祖神社の赤い鳥居がみえてきます。
鳥居の先には楼門が控えています。
朱塗りの楼門をくぐると、正面に舞殿があります。
その先に中門が続き、その奥に本殿があります。
本殿は、東西に分かれ、ともに国宝に指定されています。
本殿前には言社が七つ並んでいます。
言社は、干支を守る神様が祀る社。
自分の干支の社にお参りするのもいいかもしれません。
境内には君が代にもうたわれている「さざれ石」も祀られています。
広大な境内を参拝、散策したら、表参道の一角にある甘味処「さるや」さんに立ち寄って
ほっと一休み。
広大な「糺の森」は、旅の途中のそぞろ歩きにも最適!
ピュアな自然と遠大なストーリーに癒される都市の森として
守っていきたいものですね。
【DATA】
賀茂御祖神社
京都府京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/index.html