特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第11回 京都散歩 「哲学の道」界隈 

京都・東山の麓に、琵琶湖疏水に沿って「哲学の道」と呼ばれる日本の道100選にも選ばれている素敵な道があります。 永観堂に近い熊野若王子神社あたりから銀閣寺付近まで続く約1.5 kmの散歩道です。

春は桜、秋は紅葉の名所として多くの人を集めますが、通常は、その名の通り 静かなエリア。但し、最近は外国人観光客が多くなってきましたが・・・。

今回は四季折々の風情を楽しめる「哲学の道」を銀閣寺方面からそぞろ歩きます。

ところで、「哲学の道」の由来は、京都大学の哲学者・西田幾多郎らが思索にふけりながら散策をしていたことで 命名されたといわれています。



京都駅からのアクセスは、京都市バスが便利。最寄りのバス停は銀閣寺前または、銀閣寺道。バスは便数も多く、 急行もあります。

さて、京都市バスの銀閣寺前停で降りるとほどなく疏水に沿って散歩道が始まります。



沿道には約500本の桜が植えられています。桜の植樹は1921年(大正10年)日本画家橋本関雪の妻・よねが 300本の苗木を京都市に寄贈したことが始まりだそう。そのため「哲学の道」の桜は関節桜と呼ばれています。

【白沙村荘 橋本関雪記念館】



銀閣寺道から「哲学の道」沿いに、大正昭和の京都画壇で活躍した日本画家 橋本関雪の邸宅庭園が「白沙村荘橋本関雪記念館」として公開されています。

広大な敷地内には大正から昭和初期に建築された居宅、 画室、茶室、持仏堂などの建造物が点在。国の名勝に指定されている池泉回遊式庭園も見どころです。



隣接して和食、洋食のレストランもありますので、カフェやランチに利用できます。

DATA
白沙村荘 橋本関雪記念館
京都市左京区浄土寺石橋町37
TEL:075-751-0446
http://www.hakusasonso.jp/


さて、この日のそぞろ歩きは先をいそぎ、「哲学の道」付近最大の見どころ 銀閣寺に立ち寄ってゆくことに。

【銀閣寺】



銀閣寺は、正式名称を東山慈照寺といい、相国寺の塔頭寺院の一つです。 金閣寺と並んで京都楼閣建築の代表。室町幕府8代将軍の足利義政が金閣寺 をまねて建立したと伝えられています。



銀閣(国宝)は、観音殿として質素高貴な印象、東求堂は日本最古の書院造りで、 住宅建築遺構として国宝に指定されています。

庭園(特別史跡・特別名勝)は、白砂を段形に盛り上げた銀沙灘(中国の西湖の型)や、 向月台が見所。



銀閣寺は、外国人観光客、特にフランス人好みのよう。 フランス語に取り囲まれることも多いかも。



DATA
京都府京都市左京区銀閣寺町2
TEL:075-771-5725
http://www.shokoku-ji.jp/g_about.html

さて、銀閣寺を後に、今度は法然院方面に「哲学の道」を楽しみながらしばらく歩きます。 向かうは「ユキ・パリス・コレクション」。左手の住宅街にひっそりと建っています。

【YUKI PALLIS COLLECTION ユキ・パリスコレクション】



ユキ・パリスコレクションは、20世紀の約400年間に ヨーロッパ各地で作られた、レースや刺繍などの針仕事を道具や資料と合わせ展示した、 国内ただ一つの「ヨーロッパの針仕事」の総合ミュージアム。

ミュージアムには、デンマークをはじめとしたアンティークの美しい刺繍やレース作品が ところせましと展示され、目を楽しませてくれます。

ショップには、アンティークジュエリー、テキスタイルなどセンスの良い品々が並んでいます。

DATA
YUKI PALLIS COLLECTION ユキ・パリスコレクション
http://yuki-pallis.com/

哲学の道の沿道には、さまざまなお食事処も点在しています。この日のランチは 京都で最も有名なうどん屋さんの一つ「名代おめん」でいただくことに。

【名代おめん】



名代おめんは、国産の小麦を用いたうどん料理の専門店 。 美しく盛り付けられたたっぷりの薬味とともにいただくつけ麺は絶品!

スマホ片手の韓国、中国人観光客も多く、春、秋は行列覚悟で。



DATA
京都府京都市左京区浄土寺石橋町74
075-771-8994
公式サイト:http://www.omen.co.jp

お昼の後は、再び哲学の道に戻り法然院方面に向かいますが、続きは次回。

自然に囲まれ、近辺にショップや見どころが点在する「哲学の道」界隈は、 そぞろ歩きに最適!四季折々リピートしたいおすすめのエリアです。