特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第13回 京都散歩 東福寺〜御寺 泉涌寺

今年は、雨の多い秋ですね。

京都の紅葉は11月が本番なので気がかりですが、
雨もまたよしかもしれません。

京都の紅葉の名所ベストワンというと 永観堂と東福寺が双璧という方が多いようです。

たしかに壮麗さという点ではうなづけます。

東福寺は鎌倉時代に、時の摂政、関白、藤原道家が南都東大寺と 興福寺から2字をとって造営した大伽藍。

臨済宗の東福寺派の大本山で、 円爾弁円(聖一国師)により開山し、山号を慧日山(えにちさん)と号し、 京都五山の一つに数えられています。

鎌倉・室町期を中心に国宝・重要文化財の絵画を収蔵し、 「国指定名勝 東福寺本坊庭園」も有名です。

また、紅葉の時期には、洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる仏殿から開山堂に至る 渓谷のカエデが見所!

通天橋から眺めれば聖一国師が宋より持ち帰った唐楓をはじめ、 おびただしい数のカエデが燃え上がるように谷を覆い素晴らしい光景を 現出させます。



アップダウンのきつい渓谷を歩けば紅葉に染まりそう。



20万平方メートル以上の広大な伽藍には、 国宝に指定されている三門や、国指定名勝 東福寺本坊庭園など見どころ満載!



開山堂には1280年入定の聖一国師が祀られています。




国指定名勝 東福寺本坊庭園は、東西南北に4つの庭が配され 「八相の庭」と呼ばれています。

禅宗の方丈には、古くから多くの名園が残されてきましたが、方丈の四周に庭園を巡らせたものは、東福寺本坊庭園のみだそう。




作庭家・重森三玲(1896-1975)によって昭和14年(1939年)に完成された傑作!

特に北庭の苔と板石による小市松は斬新!




鎌倉時代の風格をベースに、モダンな要素をとりいれた代表的近代禅宗庭園として 世界的にも知られている魅力的な庭園。

お見逃しなく!

DATA
臨済宗大本山 東福寺
京都市東山区本町15-778
075-561-0087


【龍吟庵(りょうぎんあん】

また、東福寺の塔頭のひとつである龍吟庵(りょうぎんあん)が 一般公開(特別に11月のみ)されていれば、拝観されるのもおススメです。

本坊庫裏の背後から偃月橋(えんげつきょう)を渡った正面奥深くに位置する東福寺第三世住持、 無関普門(大明国師)の住居跡。

国宝の方丈は、応仁の乱以前にさかのぼる室町時代初期に建造された 現存最古の方丈建築といわれています。



こちらの庭園も、方丈を囲んで東・西・南の三庭から構成された 昭和の天才的作庭家・重森三玲による枯山水の名園です。







DATA
臨済宗 大本山 東福寺
龍吟庵
http://www.tofukuji.jp/

次は、紅葉見物のシーズンには大変な人出の東福寺を後に泉涌寺に向かいます。

泉涌寺までの長いのぼり坂の参道は、落ち着いた静かなエリアです。

【御寺 泉涌寺】
御寺泉涌寺は、真言宗泉涌寺派の総本山です。



平安時代の草創と伝えられていますが、実質的な創設は、鎌倉時代。
東山三十六峰の南端にあたる月輪山の山麓に広がる寺域内には、 鎌倉時代の後堀河天皇、四条天皇、 江戸時代の後水尾天皇以下幕末に至る歴代天皇の陵墓があり、皇室の菩提寺として 「御寺(みてら)泉涌寺」と呼ばれています。



庭園も有名で、御座所庭園の紅葉は見事!





また、大門を入って左手に楊貴妃観音堂があり、楊貴妃観音といわれる聖観音像(重文)が安置されています。

DATA
御寺 泉涌寺
京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
TEL:075-561-1551
http://www.mitera.org/

東山に位置する東福寺と御寺泉涌寺、紅葉の時期に一度は訪れたいエリアですね。 。