特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第28回 蓮華王院三十三間堂〜京都国立博物館〜Kaikado Cafe(開化堂カフェ)

3月に入り、急速に春めいてきて、桜の開花時期も気になる頃になりました。 今年の京都の開花時期はいつ頃になるでしょうか?

さて、今回のフラヌリは、花にも増して気になっている京都東山に位置する三十三間堂。1973年から45年もの修理作業を終え国宝に指定された というので、ここから歩き始めることに。


<国宝 三十三間堂>

さて、国宝 三十三間堂、正式には、京都市東山区三十三間堂廻町にある蓮華王院の本堂です。

東に面して南北にのびるお堂内陣の柱の間が33もあるという建築的な特徴により三十三間堂と通称されています。

「三十三」という数は、観音菩薩の変化身に基づく数をあらわしているとか。

地上16メートル奥行22メートル南北120メートルの長大なお堂は、和様入母屋造り本瓦葺き「総檜造り」の すっきりしたデザイン。


<国宝 三十三間堂>

同じ京都市東山区にある天台宗妙法院の境外仏堂であり、同院が所有・管理しています。

もとは後白河上皇が自身の離宮内に創建した仏堂で、本尊は千手観音です。蓮華王院は 千手観音の別称「蓮華王」に由来します。


<国宝 三十三間堂>
堂内には、国宝の中尊・先手観音座像を中心に、背後の10段の雛段に等身大の千手観音立像1001体がきれいに並び壮観です!

45年もの修理作業を終え国宝となり燦然と輝いています。

風神・雷神像と観音二十八部衆も含め30体の指定済み国宝とともに、信じられない国宝の宝庫となった三十三間堂の 素晴らしさ、是非味わいにお出かけください。

また、池泉を備えた庭園や朱塗りの東大門、回廊塀、重文の南大門、太閤塀も桃山期の趣きがありますので、巡ってみるのもおススメです。
<庭園>



DATA
蓮華王院三十三間堂
京都市東山区五条坂鐘鋳町569
TEL:075-561-3585
アクセス:JR京都駅より市バス100号・206・208系統
http://www.sanjusangendo.jp/



さて、蓮華王院三十三間堂の目の前にあるのが、京都国立博物館です。

こちらもフラヌリに是非加えたいスポットですね。

「京都国立博物館」は、1897年(明治30)、「帝国京都博物館」として開館した歴史ある博物館。 本館にあたる明治古都館、正門、そして、2014年オープンの平成知新館などから構成されています。

また、広大な敷地に庭園やカフェ、ミュージアムショップも備え、展覧会だけでなく、フラヌリにも最適!

ヨーロッパのフレンチルネサンス様式をとりいれた重厚でエレガントな本館建物と正門は重要文化財に指定されています。


京都国立博物館 明治古都館(本館、重要文化財)


京都国立博物館 正門(重要文化財)

写真は、昨年、特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」展の際に明治古都館の内部を撮影したものです。 なかなかエレガントな内装ですね。

京都国立博物館 明治古都館

京都国立博物館 明治古都館

さて、「平成知新館」は、2014年(平成26)9月にオープンした新展示館。

ニューヨーク近代美術館新館、東京国立博物館法隆寺宝物館、豊田市美術館などを設計された世界的建築家、谷口吉生(1937−)氏の設計です。


京都国立博物館 平成知新館(新館) 
シンプルモダンなデザイン、水を取り入れるアプローチ、繊細な細部に特徴があり、美術館を数多く手掛けてこられた建築家。

京都国立博物館 平成知新館(新館) 

「京都国立博物館」では、そうした空間で、陶芸、考古、絵画、書跡、工芸、彫刻など主に平安時代から江戸時代にかけての 京都の文化を中心とした文化財を、収集・保管・展示するとともに、文化財に関する研究、普及活動を行っています。

展示としては、平常展示のほかに特別展覧会が1年に2回開催されています。

この春開催される特別展は、「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」。(2019年4月13日(土)〜6月9日(日))



宗祖一遍(1239〜89)が鎌倉時代に開いた宗派、時宗は、踊り念仏で知られています。一遍は念仏をとなえることで誰もが往生をとげられると説き、 全国を行脚(遊行)して、念仏札を配り、布教につとめました。

この時宗を教団として整備し、大きく発展させたのが二祖の真教(1237〜1319)でした。2019年に真教の七百年遠忌を迎えるのを記念して、 時宗の名宝を一堂に展示する展覧会。一遍の生涯を描いた国宝「一遍聖絵」(清浄光寺(遊行寺)蔵)が見られる展覧会です。

この春京都にいらしたらお立ち寄りになっては?

DATA
京都国立博物館
京都市東山区茶屋町527
TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
https://www.kyohaku.go.jp/


さて、京博をあとにJR京都駅に向かって七條通りを歩いて行くと、途中「Kaikado Cafe(開化堂カフェ)」があったことを思いだし、 立ち寄ってみることに。

開化堂カフェは、明治八年創業の手作り茶筒の老舗が手がけたカフェです。店舗は、昭和2年に建てられた京都市電の事務所をリノベーションした建物。 シンプルモダンなデザイン、木のぬくもりとディスプレイされた開化堂製品がアクセントとなる内装が素敵!


<Kaikado Cafe(開化堂カフェ)>

この日は、遅いおやつにスープとパンの軽食そして、スペシャルティコーヒーをいただきエネルギーチャージ。


<Kaikado Cafe(開化堂カフェ)>

コーヒーもスープもパンもさらに食器類にもこだわりのコーヒーブレイクを楽しみました。


<Kaikado Cafe(開化堂カフェ)>

さて、帰り際、2階に開化堂のショールームがあるというので、立ち寄ってみることに。

昔ながらの130もの細かい工程を経て作られる気密性の非常に高い茶筒などが 並べられています。

茶筒には、銅製、真鍮製、ブリキ製の3種類があり、大きさも用途に応じて数種類があります。

少々お値段が張るので、購入は次回に。


<Kaikado Cafe(開化堂カフェ)>

今回は、国宝づくしのフラヌリ。最後も京都ならではの工芸美に触れられて充実したそぞろ歩きになりました。 京都のクオリティすごいです!

DATA
kaikado cafe(開化堂カフェ)
京都府京都市下京区河原町通七条上ル住吉町352
TEL: 075-531-4171
http://www.kaikado-cafe.jp/