特集:「My favorite parks 」
【6】モネの庭(フランス)―@花の庭―
Les jardins de Claude Monet
今回は印象派の画家クロード・モネのジヴェルニーの庭をご紹介しましょう。
(ノルマンディー地方のジヴェルニーはパリから約1時間30分)
モネはそこに43年間86歳で亡くなるまで住み、自ら耕作しデザインし造り上げた
2つの庭(花の庭と水の庭)を題材にに500枚ものすばらしい絵画を描きました。
<モネの家の前のバラとゼラニュームの花壇>
<玄関を飾るコンテナガーデン>
以前、9月の晴れた日に訪ねた時は花の庭の中心の散歩道には行く夏を惜しむように
巨大なヒマワリやナスタチュームが繁茂し、黄色や橙色に染まった見事な花の庭に
魅了されました。今まで幾度となく画集や美術館の作品でしか見たことがなかった
憧れの庭が目の前に広がっていたのです!
そして2度目は小雨降る5月でしたが期待にたがわず前回とは異なる表情の庭が私を
迎えてくれました。
毎年この庭には開園する4月1日から11月1日までの7ヶ月間に50万人もの見学者が
訪れるそうで、遊歩道は一方通行で2つの庭を上手に回遊できます。
花の庭はちょうど春と夏の端境期で、リンゴや桜等の花木や球根類の花期は過ぎ
バラには少し早すぎました。
紫から白までの濃淡のエレガントなジャーマンアイリスを主役に脇役はスィート
ロケットとアリウム、控えはケイランサス、パンジーなど、縁取りはオーブリエンタ
を使い隙のない細かな植栽には驚くばかり、遠くには白色と桃色のクレマチスの
アーチを望む青系の庭です。
<ジャーマンアイリスの咲く青系ボーダーガーデン>
夏にはバラのアーチの下に
ナスタチュームのグランドカバーに変わります。
<別の小道、よく見るとナデシコや忘れな草や何種類もの花々>
<白と青の忘れな草>
<名残のチューリップとビオラ>
<アリウムのネギ坊主とスィートロケットも素敵!>
<アリウムは近くで見ると小花があつまってできた花のボールです>
<クレマチスのアーチ>
モネは43歳の時にこのリンゴ農園と住居を借り、家族のために野菜を育て鶏を
飼い、ガーデニングをしながら絵を描きました。後に絵が売れ出し余裕ができて
この土地を買い本格的に造園に力を入れ始めたのです。
当時、印書派の画家たちはこぞって自宅のガーデニングに力を入れ、その庭を描いた
作品を残していますが、モネに至っては本人も『私はあり金をぜんぶ庭に使った!』
と言い、人からは『ガーデニング狂』とも言われました。
その反面彼はガーデニングを芸術に高めた画家なのです。
<1階の前庭>
<2階から見おろす花の庭>
次回は花の庭に隣接する有名な『睡蓮』の連作を生み出したA水の庭に続きます。
参考図書・MONET'S GARDEN-Through the seasons at Giverny(著者Vivian Russell)