第6回 ウルビーノ (Urbino)
ウルビーノは長靴の形をしたイタリア半島中央上部、東側のアドリア海と中央を走る
アペニン山脈の中間あたりに位置します。サン・マリノ共和国という世界で5番目に小さい国も近く。
ですので、交通は結構不便です。
ローマやシエーナ、フィレンからはアペニン山脈を越えなければなりません。
私たちはフィレンツェからフォーリ近郊の手打ち麺で有名なアルベルゴにもとまりた
かったので、大変な道を選んだようです。
Al Vecchio Convento
http://www.vecchioconvento.it/
霧の中エス字カーブ連続の山道を車酔いしながら突破。
予定よりかなり遅れて手打ち麺で有名なアルベルゴに寄って予約をいれ、ウルビーノ
に向かいました。
しかし、ようやくウルビーノに到着した私達を待っていたのは、ドウカーレ宮殿併設
の国立マルケ美術館の閉館時間でした。
遠近法の元となった絵画「理想都市CittaIdeale}を見ずには帰れませ
ん。
国立マルケ美術館の見学は学芸員と一緒に回りますので、
閉館5分前では入れてくれなかったのですね。
明日日本に帰国しなければならないとか泣き言を言ってもだめでした。
しかたがないので、フォーリのアルベルゴはキャンセル。
その日はウルビーノに宿泊となりました。
ホテルからの眺め |
ラファエロの生誕の地として有名なウルビーノは、
"マルケ州の宝石”といわれるルネッサンスの古都です。
2つの丘の上に城壁に囲まれて建てられ、起伏の多い風景を見下ろしています。
ホテルからの眺め |
世界遺産にも指定されている旧市街の街並みは、
なぜかソフィストケイトされた雰囲気。
そのわけは、ルネッサンス時代、15世紀半ばのフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ
公の時代にヨーロッパで最も文化水準の高い都市の一つとして繁栄し、
当時の名だたる芸術家や知識人がこの公国に参集したからかもしれません。
また、ここが現在は大学都市だからというのも大きいかも。
クリスマス時期で、休業中のホテルも多く、ようやく明後日からバカンスにいくの
で、1泊までという眺めのよいホテルを見つけました。起伏の激しい街なので、
車は駐車場に止め、荷物は小型のスクーターのような車で運んでくれます。
外観はルネサンスのまま中は結構モダンな作りのホテル・ラファエロ。
クリスマスの街中 |
レストランはないので、ディナーは地物を出すレストランへ。
Vecchia Urbino
http://www.vecchiaurbino.it/
土地のものがメインのこのレストランのシェフはママンでした。
手打ち麺など郷土料理を色々楽しめ大満足。
しかも、ダイニングホールには、16世紀の多面体を思わせる「公国の星」と呼ばれる
シャンデリアが使われていて雰囲気がありました。
ホテルへの帰り道、広場でクリスマスイヴェントが開催されていました。
サンタクロースが二人キャンディーを配っています。
「日本からやってきたお嬢さんたちに!」と山盛りのキャンディーをプレゼント!
思わぬクリスマスプレゼントにウキウキしたのは言うまでもありません。
この街ではなぜか日本人は全く見かけませんでした。
クリスマスの風景 |
翌日はラッファエロの生家を見学。シンプルな作り。
ウルビーノの街中 |
そしてドウカーレ宮殿へ。
もちろんお目当ての絵画やピエロデラフランチェスカの「フェデリーコ・ダ・モンテ
フェルト公像」、ラッファエロの「フォルナリーナ」などの作品は予想通りのすばらしさ!
さらに、フェデリコ公の書斎ステュディオの寄木細工に感動したのでした。
独特の洗練された雰囲気をもつウルビーノ、その景観はもちろん、街の人たちのホスピタリティはルネッサンスからの伝統なのかもしれないと思ったものでした。