ドイツ・ファンタスティック街道と南仏の美しい村を訪ねて 
Fantastic Road in southwest Germany & the beautiful villages in French Riviera
4.花の島マイナウーそのAマイナウ島とメーアスブルク

ドイツ南西部、ファンタスティック街道のリゾート、ドイツ、スイス、オーストリアの3国にまたがるボーデン湖に浮かぶ、花の島マイナウ島の歴史は古くからあります。

マイナウ島
http://www.mainau.de/

723年以前に、アレマン人の領主による農場があったマイナウ島は、9世紀にはライヒェナウ僧院の領地となります。1272年以降、ドイツ騎士団の所有となり、1732年城砦が取り払われ、教会やバロック式のお城が建てられました。その後バーデン大公の所有となり、造園が始ったことが、花の島の始まりだったそう。その後スウェーデン王室と親戚関係にあるベルナドッテ家が所有し、数十年の歳月をかけて造園、管理運営して今日に至っているとのことです。
小高い丘の上に立つ宮殿には現在でもレナート・ベルナドッテ伯爵の一家が居住していらっしゃるそうですが、一階の一部分はレストランやギャラリーになっていて、見学もできます。隣接する教会も来園者に開放されていて、結婚式もできるそうです。

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宮殿の前の広い芝生の周りは花壇が整えられていて、反対側には、古い見張り塔が、建っています。これはこの島が、かつてドイツ騎士団だったころのなごりです。かつて城の周りには堀があったそうですが、18世紀に埋め立てられ、今では四季折々の花で埋め尽くされています。

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宮殿の南側には、バーデン公によって作られた、イタリア式バラ園があります。 バロック様式の手すりで囲まれたテラスから優雅な階段で下りていくと、 最盛期は終わっていたものの、様々なバラの花を楽しむことができました。 ギリシア風彫刻が、一層、優雅な気分を引き立ててくれます。 背後の大温室に入れば、熱帯樹が鬱蒼と茂り、カフェで休むことも。

マイナウ島には子どもたちが楽しめる施設も整っています。動物たちと触れ合うことのできる農場や家畜小屋には、ヤギの親子がいたり、羊がいたり。

丁度、産まれて間もないかわいい子ヤギが。


木で作られた遊具も、ドイツらしく、しっかりしていて、かわいいですね。

マイナウ子どもの国では、孔雀など花でできたオブジェが展示されています。巨大キャラクターオブジェには驚かせられました。

入り江には、沢山の白鳥が飛来し、羽を休めています。

ランチは、4箇所あるレストランから選べます。筆者は、時間が限られていたため、 カジュアルなレストランでコーヒーとサンドイッチ。その後、広大なマイナウ島を一周。 遊覧船で再びメーアスブルクへ。

メーアスブルク(Meersburg)は、「湖岸の城」という意味の通り、ボーデン湖の湖岸にある古城で有名な小さな街。急坂に沿って、木組みの家や、ドイツらしい色合いの家が続くメルヘンチックな街です。

新旧二つのお城や、州立ワイナリー等、時間があれば、色々観光やグルメが楽しめます。 石畳の坂道の両側に軒を連ねる、かわいいショップで、お土産をさがすのも楽しいかも。

風光明媚なボーデン湖に浮かぶ、類まれな規模の花の島マイナウ島と、ドイツらしい小さな古い街メーアスブルクは、ファンタスティック街道の中でもとりわけ女性には、 魅力的なエリアでしょう。


《ファンタスティック街道あれこれ》

ファンタスティック街道には、今回訪問した都市の他、 ハイデルベルクやバーデン・バーデンなどを付け加えることができます。

ハイデルベルク(Heidelberg)は、ライン川の支流、ネッカー川の畔に拡がる大学都市です。シュトゥットガルト、マンハイム、カールスルーエ、フライブルクに次ぐBaden-Wurttemberg(バーデン・ヴュルテンベルク)州第五の都市。

1386年に建てられたハイデルベルク大学(ルプレヒト・カール大学)は、国内では最古の大学で、マックス・ウェーバーが、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を執筆したのはこの大学に在籍時だったとか。

そして、この街の名前はなんといっても、若い王子と酒場の娘の悲恋を描いたマイヤー・フェルスター(Wilhelm Meyer-Forsters )のロマンチックな戯曲「アルト・ハイデルベルク」(Alt-Heidelberg)で、広く知られています。

ネッカー川に架かるカール・テオドール橋から丘の上のハイデルベルグ城を望む景観が 往時を彷彿とさせます。

一方バーデン・バーデンは、ドイツ南西部の広大な黒い森、シュヴァルツヴァルトの北部に位置するヨーロッパ有数の温泉、保養リゾートです。

ドイツ語で、バーデン(Baden)とは、「入浴(する)」の意。1931年、多く使われていたバーデン・イン・バーデン(Baden-in-Baden)という表現が縮まって、バーデン・バーデンが街の名称になったそう。

街には白亜の立派なカジノがあります。その昔、森を通って、カジノの下にあった駐車場に滑り込み、地上に出ると、ハイソな感じの街の中心。オールドファッションなカフェでは、ファッションショーが開催されていて、びっくり。まるで、映画の中に、ワープしたような不思議な感覚がしたのを覚えています。

近隣の都市としては、約40キロ南西にフランスのストラスブールが位置していて、案外フランスからも近いのです。

http://www.baden-baden.de/jp/

ファンタスティック街道と、シュヴァルツヴァルトを含むシュヴァーヴェン地方は、豊な水と気候に恵まれた、野菜や果物の産地。また、おいしいワインができることでも知られています。フランスにも近いため、シュヴァーベン料理は、ドイツの中でもピカイチと評判。今回は、ボーデン湖産のマス料理やメーアスブルクのZwiebelkuchen(ツヴィーベルクーヘン)が印象的でした。ツヴィーベルクーヘンの基本は、たっぷりの玉ねぎをじっくり炒めて、イーストの入った生地にのせて焼いたもので、フランスのキッシュのようなもの。当地では秋の新酒の出回るころの味覚のようでした。