ブラジルとペルー:世界遺産を巡る旅
Brazil and Peru: A tour around the World Heritage sites
4. イグアス国立公園2日目(ブラジル側)  Iguazu National Park day2
 

1日目はアルゼンチン側に渡り、イグアスの滝の豪快な「悪魔ののどぶえ」や、パラナ川の静かな夕暮れを満喫し、ブラジル側のイグアス国立公園の公園内のホテルに戻りました。
イグアス国立公園の2日目は、ブラジル側からイグアスの滝を眺めます。

ホテルの早朝です。
この日もとてもよく晴れわたり、空気も清々しい。


ホテルの名前はとても長く、トロピカル・ダス・カタラタス・エコ・ホテル&リゾート(Hotel Tropical das Cataratas Eco Resort)。無理やり日本語にするなら、「ホテル熱帯−滝自然環境リゾート」とでもいうのでしょうか。ブラジルの国立公園内唯一のホテル。

早朝散歩のホテルの庭には椰子やイペーなど様々な樹木が生い茂り、蘭が大きな花を咲かせていました。


やしの木には小鳥がたくさん集まって賑やかに朝の挨拶をしています。


空が明るいのではっきりはしませんが、全体が黒い鳥と、
幹のところには、のどからお腹にかけて赤く、羽その他は黒い鳥もいます。


そして枝には奇妙な袋のようなものが幾つもぶら下がっています。


上部には出入り口のような穴があります。
調べてみると、このように木の枝に吊った巣を作る鳥がいます。 オオツリスドリ(Oropendola)という、そのまんまの名前を持つ鳥です。

この仲間にAmazonian Oropendolaというのもいますが、いずれも体長が40~50cmで声もすごいというので、高い声でさえずっていた鳥たちとは違うようです。巣も少し古ぼけているようです。

のどが赤くその他が黒い鳥でこの近くにいそうな鳥として、コムネアカマキバドリという鳥が見つかりました。しかし名前からして平原にいそうなので、結果としてこれらの小鳥の正体はよくわかりません。


さてホテルの庭の早朝散歩を終え、朝食をとり、早速滝に向かって出発です。 昨日のアルゼンチン側観光にはバスとトロッコ列車を利用しましたが、今日の見物は歩きです。

レストランから出たところに体長1m弱の一見おとなしそうな動物がうろうろしています。


それも一匹や二匹ではありません。エサを求めてレストラン近くに出没しているのでしょう。 石垣も平気で登ります。


この上にはレストランのテラスがあるのです。

この動物はアライグマ科のハナグマ。
のちほど到着する滝の展望台の所にもいました。


雑食で、草や果実はもちろんヘビやトカゲ等何でも食べるようです。 おとなしそうに見えても、スキあらば観光客の食べ物を失敬することも。

小道を歩いていくと、いよいよ滝が見えてきました。


見えているのはアルゼンチン側の滝。
イグアスの数kmにわたる大瀑布のまだとっつきの部分です。
川の向こう岸近くに、白く見える船着場があり遊覧船が係留されているようです。
そろそろ出番がきます。

歩いていくにつれ、地形に応じて滝の景色も変化します。


さきほどから見えているアルゼンチン側の滝は、全体の大きなU字形の陥没の入り口にさらに小規模なU字形の窪みがくっついたような形になっています。



本体と小規模な窪みの間の半島状のところにも水が流れ、滝になって落下しています。


虹がかかってとてもきれいです。

ブラジル側のこの近辺は川底まで二段になっており、中段から立ち上がる展望台のタワーがあります。 この展望タワーは道路のレベルが中間で、エレベータで上に上がると全体が見渡せます。
また道路レベルから下に降りて、中段に取り付けられた遊歩道を川の本流に向かって行くと、川底を覗く崖っぷちに滝の深奥部が見渡せるように突き出している展望台があります。

上からの眺め。
イグアスの滝とイグアス川が目の前に広がっています。


イグアスの滝の全貌が見渡せます。何と素晴らしい眺めでしょう。


中段のところに下りていきます。
すぐ横にブラジル側の小規模の滝が。小規模といっても立派な滝。


小さくて見にくいかもしれませんが、滝の白い水の上にたくさんの黒いごみのようなものが写っています。これは鳥、オオムジアマツバメです。

ツバメとはいっても、燕とは違う種とのこと。 鎌のような独特の羽を持ち高速飛行が得意だそうです。

すぐわきの岸壁を見ると、そこにも無数のオオムジアマツバメがへばりついています。


外敵から身を守るためにこんなところに巣を作っているのです。 こんな崖っぷちにへばりついて暮らすのも大変そうですが、彼らにとっては邪魔者のいない天国なのでしょう。

そして流れの上に作られた遊歩道を歩いて中段の突端部分の展望台に来ました。
ここからの滝本体、そして「悪魔ののどぶえ」の眺めは壮観です。


下を見ると足がすくみそう。
足下からも水が流れ落ち、川底の激しい流れにぶつかります。


晴れていれば虹はどこにでもかかります。
月夜にもかかるとか。

アマツバメのいたブラジル側の滝は逆光で水しぶきが光っています。水しぶきが飛んできて晴れていても霧雨状態。携帯用雨合羽が役に立ちます。


向かいはアルゼンチン。窪みを見つけて水が滝となって流れます。 この中段から川底までの落差のほうが大きいようです。


展望台から道路に戻り、上流に向かって少し歩いてみます。

これはさきほどのオオムジアマツバメのいた滝です。何ともダイナミックで美しい景色。


目を少し横に転じると、さっき歩いてきた遊歩道と中段の突端部分の展望台が見えます。


さきほどは時間が早くて人がほとんどいませんでしたが、今は「悪魔ののどぶえ」を見物する人たちが鈴なりです。

さらに歩くともう滝は見えません。流れは一見とてもおだやか。音もあまり聞こえません。
あの白い流れの部分が「悪魔ののどぶえ」と呼ばれている落差80mの大瀑布とはとても想像出来ません。


その向こうに、その「悪魔ののどぶえ」にアプローチするアルゼンチン側の遊歩道が見えます。昨日はあちらにいました。 真ん中の平たい岩に昨日も見かけたアメリカヘビウが大小2羽います。つがいでしょうか。

さて、イグアスの滝見物を堪能してホテルに戻ります。
その途中、道路わきに体長1.5メートルぐらいの大きなトカゲが日向ぼっこ。


動かないからいいですが・・・。

この大トカゲの見送りを最後に、イグアスを後にします。
午後からペルー目指して移動です。