アート&カルチャー

第50回 東京国立近代美術館 
The National Museum of Modern Art, Tokyo
[MOMAT](東京都千代田区)

春爛漫、気持ちの良い季節になりました。
桜も見ごろ。今年のお花見はどこへいらっしゃいましたか?

東京北の丸公園辺りは、都心の中でも緑深く、桜の名所としても有名ですね。

東京国立近代美術館は、この公園の一角に皇居東御苑の緑を臨むように建っています。

東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/

こちらの美術館、日本で初めて設置された国立美術館だということをご存知でした?

始まりは、1952年(昭和27年)、中央区京橋の地に文部省所轄の機関として開館しました。
その後コレクションの増加と企画展の拡充により手狭になったため、北の丸公園の一画に新館建設が構想され、建築家谷口吉郎氏の設計による建物が造営、1969年(昭和44年)に現在の地に移転、オープンしました。
その後大規模な増改築を経て現在に至っているそうです。

また、こちらは、美術館、フィルムセンター(京橋・相模原分館)、そして、すでにご紹介した工芸館から構成されるとてもスケールの大きな国立美術館でもあります。

ちなみにフィルムセンターは、1970年(昭和45年)に、美術館発祥の地、京橋の旧本館を改装して発足。 工芸館については、以下のページをご参照ください。

赤ちゃん連れでも楽しめるミュージアム
第24回 東京国立近代美術館工芸館
http://www.ktai-supli.jp/art/200802.html

今回ご紹介するのは、美術館。

東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/Honkan/honkan.html

明治時代後半から現代までの絵画・彫刻・水彩画・素描・版画・写真など約10000点におよぶ一大コレクションを誇る国立美術館です。

これらの所蔵品は、年間を通じて開催している所蔵作品展「近代日本の美術」で順次公開されていますし、大小さまざまな魅力的な企画展も随時開催されていますので、足を運んだ経験がある方が多いかもしれませんね。

今回は、開催中の「生誕120年 小野竹喬展」と所蔵作品展を取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。(2010年4月11日[日]まで)

「生誕120年 小野竹喬展」
http://www.momat.go.jp/Honkan/ono_chikkyo/

美術館へのアクセスは簡単!
東京メトロ東西線竹橋駅からお濠に沿ってほんの数分、 竹橋を渡った先に、すっきりした建物が姿を現します。

ミュージアムショップの先に見える黄色と黒のイサム ノグチの《門》という彫刻が印象的です。

芝生の前庭は、ちょっとした憩いのスポット。 彫刻(多田美波《 Chiaroscuro 》)と戯れたり、いすに腰掛けて一休みしたり・・・

チケットを購入してエントランスホールに進むと、正面に「生誕120年 小野竹喬展」会場の入り口があります。

小野竹喬(おの ちっきょう 1889-1979)は、自然の美しさを描き続けた近現代の日本画を代表する日本画家です。

今回の展覧会は、常に日本画の新しい表現を模索し続け、独自の画風を打ちたてながらもさらに創造し続けた竹喬の芸術世界を、生誕120年を記念して開催する大回顧展です。

青年期の作品には、西洋絵画の影響から、セザンヌやコロー、ルソー、印象派の画家たちを彷彿とさせる作品があり興味深いです。

また、伝統的手法に点描などの手法を取り入れた作品などが新鮮!

さらにこの展覧会では、渡欧時に描いたフランス、イタリア、スペイン、イギリスの芸術巡礼スケッチも観ることができます。 1921年当時のヨーロッパを画家はどのように表現しているのでしょう。

さて、2度の渡欧経験後、東洋画の詩情に目覚めた竹喬は、1939年頃より線描と淡彩による南画的表現から色をおしだしてゆく大和絵方向に舵を切ります。

そして、さりげない自然との対話から次々と独自の絵画を創造していきます。

こうして代表作《宿雪》などの魅力的な作品が生まれました。

さらに晩年の代表作《奥の細道句抄絵》に至ります。
これら10点の作品の明快で簡潔な画面にはすっかり魅了されます。

そして、最晩年の墨彩画まで続いた画家の創造的取り組みには感動!

小野竹喬のやさしく繊細な日本画を堪能した後は、所蔵作品展へと向かいましょう。


4Fから2Fの所蔵品ギャラリーでは、所蔵作品展「近代日本の美術」が開催されています。 (2010年4月11日[日]まで)

こちらのギャラリーは、広々としたスペースで、膨大なコレクションの中から毎回170〜220点もの作品を観ることができる筆者のお気に入りアートスポット。

お目当てのある場合は、ピンポイントで、お時間のある場合は、一通りご覧になると、20世紀初めから現在に至る近代日本の美術の流れを海外の作品を交えながら通覧することができます。

また、新企画、「テーマで歩こう」に沿って観て歩くのも楽しいかも。 今回は、「庭ー作家の小宇宙」と題して、庭を作品に取り入れた作品がブルーグリーンのキャプションを目印に展示されています。

小野竹喬展にも登場した土田麦僊の代表的な作品《舞妓林泉》や日高恵理子氏の《樹を見上げてZ》の超大型作品なども楽しむことができます。


さらに2Fギャラリー4ではコレクションによる小企画展「水浴考」が開催されています。(2010年4月11日[日]まで)

また、2Fロビーには、ジュリアン・オピー作《日本八景》の4作品7面も設置されていますので、お見逃しなく!


所蔵品ギャラリーの最後に筆者お気に入りのスペースをご紹介しておきましょう。
それは、4Fの南東角にある休憩スペース。

ガラス窓を通してお濠や皇居の緑を眺めながら美術鑑賞の合間にほっと一息。
飲み物の自販機も設置されたとっておきのスポットです。
お子様連れのママにもうれしいスペースですね!


1Fのミュージアムショップでは、展覧会カタログはじめポストカードや美術関連書籍、 またミュージアムグッズがいろいろ取り揃えられています。

ランチやカフェには、お濠に面し、テラス席も備えた明るい「クイーン・アリス アクア」が利用できます。(2011年9月閉店)

クイーン・アリス アクア
http://www.momat.go.jp/Honkan/aqua.html

お濠のすずめ!?
http://editors.ktai-supli.jp/?eid=659944


さて、東京国立近代美術館本館では、2010年4月29日(木・祝)〜8月8日(日)まで 「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展が開催されます。

「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展
http://www.momat.go.jp/Honkan/where_is_architecture/

この展覧会では、伊東豊雄氏(1941 - )、鈴木了二氏(1944 - )、内藤廣氏(1950 - )、アトリエ・ワン(塚本由晴氏:1965 - /貝島桃代氏:1969 - )、菊地宏氏(1972 - )、 中村竜治氏(1972 - )、中山英之氏(1972 - )、7組の日本の建築家による新作インスタレーションが展示されます。

「建物」をつくるときとは異なる条件の中で、建築家として鍛え上げられてきた、論理(ロジック)と技術(テクニック)と感性(エステティック)のバランスがとれた思考方法で創られたインスタレーションとはどんなものでしょうか?

世界的に注目されている日本の建築家たちの特徴がそうしたバランスのとれた思考方法としたら、それはどんなもの?

三種類の多面体でつくられた空間、「空間」が生滅する場、動物にも見える東屋(あずまや)、模型の一日を見せる映像空間、繊細(フラジャイル)な構造体、スケール感覚が不思議な広場など、多種多様なインスタレーションを通して様々な思考方法が探れるかも。
楽しみですね!

アーティスト・トークやダンスパフォーマンスなども開催されるそうですし、 各建築家の作品の進捗状況を紹介する特設サイトも公開中ですので 美術館ホームページを是非チェックしてみてください!


さて、東京国立近代美術館ですが、美術館本館は、展示替えのため2010年4月12日から19日まで休館になりますが、工芸館はオープンしていますので、この期間でも東京国立近代美術館は楽しめます。

東京国立近代美術館工芸館
http://www.momat.go.jp/CG/cg.html

工芸館では2010年4月18日まで、所蔵作品展「近代工芸の名品―花」が開催中です。

お花の季節にお花をテーマにした陶磁、染織、漆工、木工、竹工、金工、そしてお人形の名品が咲き乱れる工芸館で様々なお花のデザインを楽しんでみませんか?

また、工芸館では、2010年4月27日〜6月27日まで 所蔵作品展「アール・デコ時代の工芸とデザイン」が開催されます。

「ルネ・ラリック、ジャン・デュナン、ピエール・シャロー、カッサンドル、マルセル・ブロイヤーらによる家具、ガラス、陶磁器、銀器、ポスター等とともに、内藤春治、高村豊周、磯矢阿伎良ら同時代の日本の工芸家の作品もあわせて展示」(工芸館HPより)されるそうですのでこちらも是非!

所蔵作品展「アール・デコ時代の工芸とデザイン」
http://www.momat.go.jp/CG/art_deco2010/index.html


春から初夏にかけて、東京国立近代美術館は、美術館も工芸館もみどころいっぱいの展覧会が次々開催されます。

都心のオアシス北の丸公園に、お花見がてら、お散歩がてら、充実のアートスポット、東京国立近代美術館におでかけになりませんか?

1年を通じて常時アートに親しめるマイ美術館にするのもおすすめです!

所蔵作品展、フィルムセンター展示室を1年間いつでも観覧できるMOMATパスポートも販売されています。

「MOMATパスポート」 http://www.momat.go.jp/passport/index.html





赤ちゃん連れのお母様へ:
東京国立近代美術館はベビーカーで入館できます。
オムツ替えは、1階と2階の多目的トイレにオムツ替えシートが設置されています。
ベビーカーのレンタルと授乳については美術館受付でご相談ください。




このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまの気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せくださいね。
お待ちしております。




東京国立近代美術館 


東京国立近代美術館 前庭

「生誕120年 小野竹喬展」入り口
(2010年4月11日終了)

2010年2月20日〜4月11日会期の
所蔵品ギャラリー会場風景

4F休憩コーナー

レストラン「クイーン・アリス アクア」(2011年9月閉店)

「建築はどこにあるの?」展 参考イメージ
  伊東豊雄 
《オスロ市ダイクマン中央図書館コンペティション応募案》
  2008-2009年 画像:Kuramochi + Oguma

「建築はどこにあるの?」展 参考イメージ
  中山英之 《草原の大きな扉》(建物パース)
2008年 (C) Hideyuki Nakayama Architecture

工芸館


所蔵作品展「近代工芸の名品―花」会場風景

ルネ・ラリック 《カーマスコット ロンシャン》1929年


ミュージアム情報

東京国立近代美術館

住所:
東京都千代田区北の丸公園3-1
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)  

詳しくは、直接、お問い合わせいただくか、
東京国立近代美術館をご覧ください。

*こちらの記事は東京国立近代美術館より許諾をいただいております。
禁無断転載